MIM業界の新技術
2018-10-18 16:00:25

画期的な技術!超微細孔ノズルの量産化を実現したMIM業界の進展

金属射出成形の革新



金属射出成形(MIM)業界において、注目すべき進展がありました。一般的にノズル加工では、小さい径や高いアスペクト比、高精度の寸法と滑らかな表面仕上げが求められます。この課題は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのノズルなど、燃料噴射の性能に直結するため、常に改良が追求されています。

しかし、実際に数値計算やシミュレーションで得た最適な設計を現実の加工や量産に適用することは非常に困難でした。特に、φ1mm以下のノズル加工では、工具の損耗が激しく、非常に難しい条件が要求されます。耐食性や耐摩耗性に優れたステンレスやチタン合金の加工は特にハードルが高く、コストも大幅に上昇するため、量産の実現が難しい状況でした。

φ0.03mmの壁を超えて



しかし、今回、MIM業界はこの壁を打ち破る成果を上げました。従来の限界とされていたφ0.05mmを下回るφ0.03mmの超微細孔ノズルが量産化に成功したのです。このサイズは、髪の毛の太さの半分以下で、痩せたミドリムシも通すことができるかどうかといった驚くべきものです。

この技術を実現するためには、μ-MIMで培った「金型技術」「成形技術」や、微粉を用いた「高密度焼結技術」が大きな役割を果たしました。その結果、金属材料が持つ本来の滑らかな結晶状態を実現し、後加工なしで表面粗さRa=0.3μmを達成しました。

微細加工の課題と解決策



また、微細加工においては最新のレーザー加工技術が用いられますが、加工の淵部分ではドロスの付着や熱の影響が避けられません。機械加工でも、L/D比が5以上の超微細孔の場合、加工歪や工具の破損といったリスクが増大します。通常のサイズではない工具を必要とし、コストや納期にも影響を及ぼします。

しかし、これらの課題を克服するためには、プラスティック成形から派生した超精密金属射出成形(μ-MIM)がカギとなります。μ-MIMの技術によって、超微細孔のみならず、薄肉パイプや複雑な流路の製造も可能となります。

技術の展望



このように、金属射出成形の技術革新は従来の限界を超え、さらなる量産化が期待されています。2018年10月15日には、日経産業新聞でこの成果が発表され、微細加工工業会にも参加しています。この新しい技術の発展が今後のMIM業界に与える影響は少なくありません。

業界全体がこの流れを受けて、さらなる技術革新と市場の変化に対応することが求められるでしょう。これからも、金属射出成形の進化から目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社日本マイクロMIMホールディングス
住所
大阪府寝屋川市池田北町26-1-
電話番号
072-830-2588

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