PERSONZが魅せる、至高のワンダーランドライブの魅力とは
2023年、41周年を迎えたPERSONZは、全15本のツアーを経て、東京国際フォーラムCホールで究極のパフォーマンスを展開した。今年発表された23作目のオリジナル・アルバム『WHAT A WONDER WONDERLAND』のテーマは、まさに「不思議の国のアリス」や「オズの魔法使い」といった夢の世界を体現したもの。彼らの卓越した演奏力と感情豊かなパフォーマンスは、観客を幻想的なワンダーランドへと誘った。
ライブが始まると、暗転の中に「ADVENTURE」が流れ始め、鮮やかな赤と黒の装飾で彩られたステージが姿を現す。メンバーが衣装をまとい、JILLが「ウェルカム トゥ ワンダーランド!」と叫ぶと、観客からは大きな歓声が上がる。この瞬間から、彼らのアルバムの世界観にどっぷりと浸ることができる。
初めの曲「WONDERLAND」では、JILLが客席へトランプカードを投げ入れ、観客もそれに応じて盛り上がる。続く「SLEEPING BEAUTY」での楽器チームの笑顔や、JILLのゴージャスな動きは、観客に一層の興奮を与えた。「ROCK MY HEART」では、カウベルのビートが印象的で、JILLがギターを手に観客とのコミュニケーションを楽しむ。
その後も「BE HAPPY」では、JILLの呼びかけに応じて観客が一緒に歌い、瞬時に会場が一体感を持って盛り上がっていく。10代の若者も含め、さまざまな年齢のファンが共に楽しむ姿が印象的だ。全てのパフォーマンスは圧倒的で、これまでにないワンダーランド体験を提供している。
ライブ後半では、メンバーそれぞれが観客に向けたメッセージを伝えるタイムが設けられた。JILLが新アルバムのコンセプトや、ツアー中の思いを語り、新しい世界を感じ取ってもらうことを重視している。アルバムには青い薔薇をモチーフにした曲もあり、女性の声が力を持つ世の中への願いを込めたメッセージが響く。
また、「HAPPY UNBIRTHDAY」では、花言葉を探求しつつ、ポジティブなエネルギーを客席に届ける。続く「MOMENTS」では、各自の人生を映し出すことを意識し、メンバーが過去41年の体験を語る感動的な場面も。素朴でありながら深いメッセージが多くの人に共感を与え、結局ライブはただのパフォーマンス以上のものになる。
その後の楽曲たちは、前向きさと楽しさが交差し、JILLが観客に手を振る姿は、彼らのパフォーマンスへの興奮と感謝の気持ちを表している。特に「DREAMERS」では、「今、あなたたちは夢見るドリーマーだ」と呼びかけ、観客全体を巻き込んだパフォーマンスはまさに圧巻。彼女の歌声は力強く、感情を伝えるだけでなく、会場全体を包み込む。
「SINGIN’ IN THE RAIN」では、過去の名曲の力強さが新たに感じられ、観客と一緒に歌うことで、深いメッセージが共有される。最後の「DEAR FRIENDS」に至っては、シンガロングで会場が一つになり、彼らの深い絆を感じる瞬間となった。
ツアーの中で感じたことや、今後の目標についても語るJILLの言葉は、観客へのメッセージを強調し、彼らの音楽が持つ力を再認識させるものであった。40年以上の歳月を経ても、PERSONZの音楽は新たな息吹を感じさせ、観客全員がワンダーランドの住人と化す体験であった。
今後も47都道府県を巡るツアーが予定されており、彼らのさらなる挑戦が楽しみである。PERSONZの音楽は、夢や希望を持つすべての人に向けたものであり、これからも共に歩んでいきたいと思わせる魅力に満ちている。
(取材・文:舟見佳子 / 写真:アンザイミキ)