国内初の献便施設「つるおか献便ルーム」
2025年4月24日、山形県鶴岡市に、国内初となる献便施設「つるおか献便ルーム」がオープンしました。この新しい施設は、地域住民の腸内環境の改善に寄与し、腸内細菌の提供を通じて新たな医療の可能性を拓くものです。
腸内細菌ドナー向け支援ウェブサービス「ちょうむすび鶴岡」
同日に始まった支援ウェブサービス「ちょうむすび鶴岡」では、腸内細菌ドナーを希望する人々が簡単に登録し、献便のための手続きを行うことができます。ドナーとしての適格性を確認するために、オンライン健康チェックを受けた後、鶴岡市立荘内病院での医師による問診や、血液、便、唾液検査が行われます。全ての検査結果をもとに医師が適格性を判断し、ドナーとして認定された方々が献便を行えることになります。
献便のフローとドナーの特典
献便を行う際は、専用の水に流さず便を提供するトイレが設けられ、便から腸内細菌を抽出するプロセスが確立されています。献便ごとに最大5,000円の協力金が支払われるため、ドナーにとっても経済的なメリットがあります。また、「ちょうむすび鶴岡」では、腸内細菌叢検査の結果や献便回数を確認でき、健康維持の一助にもなるのです。
安全性と取り組み
腸内細菌は、さまざまな疾患をもつ患者さんへの治療手段として活用されるため、安全性が重視されます。「つるおか献便ルーム」では、徹底した製造管理と品質管理を実施し、隣接する製造施設で腸内細菌の抽出を行います。
ドナー資格について
腸内細菌ドナーは、18歳から65歳までの健康な方であれば応募可能です。定期的に献便を行い、適格性検査を受け続けることが求められます。
通いたくなる施設の設計
この施設は「通いたくなるトイレ」をテーマに、快適な空間作りがなされています。三つの専用トイレと、ドナーがリラックスできる休憩スペースが用意されており、献便を行うための特別な環境が整っています。
腸内細菌叢移植(FMT)の重要性
腸内細菌叢移植(FMT)は、健康な人の腸内細菌叢を疾患を抱える患者に移植することで腸内環境を改善する最新の治療法です。日本国内でも、多くの臨床研究が進められており、今後も多くの疾患を対象にした研究が行われる予定です。
メタジェンセラピューティクス株式会社の使命
この新しい献便施設の設立により、メタジェンセラピューティクス株式会社は「献便」を中心としたエコシステムを構築し、国内外の患者さんに腸内細菌に基づいた医療を提供することを目指しています。学術機関や行政とも連携し、腸内細菌の研究と開発に取り組むことで、より多くの選択肢を提供していく考えです。
おわりに
地域から生まれたこの新たな取り組みが、健康維持や疾病予防に寄与することを期待しています。今後も「つるおか献便ルーム」に注目し、腸内環境改善の重要性を広めていきましょう。