日本の蒸留酒で初！カタシモワイナリーのブランデーが国際コンクールで金賞受賞

110年以上の歴史を誇る大阪府柏原市のカタシモワイナリーが、フランスで開催された権威ある国際コンクール「ヴィナリ国際コンクール」で、ジャパニーズブランデー『葡萄華35度』が金賞を受賞しました。これは、日本の蒸留酒として初の快挙となります。

100年を超える歴史と伝統

カタシモワイナリーは、約1300年前にシルクロードを経由して仏教が伝わった歴史を持つ柏原市で、創業以来「日本人の味覚に合うワイン」を追求し続けてきました。初代利三郎が当地で葡萄栽培を始め、2代目の作次郎が日本酒の技術を応用することで、独自のワイン醸造を確立。大正3年（1914年）に『カタシモ洋酒醸造所』として創業しました。

地域に根ざしたワイン造り

同ワイナリーは、大阪の気候に適した棚栽培を導入。除草剤を極力使用せず、有機肥料を積極的に活用することで、高品質なブドウを栽培しています。その取り組みは高く評価され、大阪府のエコ農産物にも認定。農林水産大臣賞も4度受賞しています。

受賞ブランデー『葡萄華35度』の魅力

金賞を受賞した『ジャパニーズブランデー葡萄華３５度デラウェア樽熟』は、100年以上大阪で栽培されているデラウェアぶどうの皮を原料に、リムーザンのフレンチオークで熟成させた、世界に類を見ないユニークなブランデーです。

豊かな果実味と、キャラメルや青りんご、桃、蜂蜜といった複雑な香りが特徴。スムーズな口あたりと長く続く余韻は、ストレート、オンザロック、ハイボール、さらにはコーヒーや紅茶に数滴加えるなど、様々な楽しみ方ができます。価格は3,520円（税込）、容量は500mlで、カタシモワイナリー直売所で販売されています。

国際的な評価と今後の展望

ヴィナリ国際コンクールは、1994年に創設された権威ある国際コンクールで、世界各国から出品される約3000アイテムが、厳正なブラインドテイスティングによって審査されます。ISO9001認証を取得し、国際機関の後援も受けている、信頼性の高いコンクールです。今回の審査には、636の生産者から2927点もの出品がありました。その中で金賞を受賞したことは、カタシモワイナリーの技術力の高さを証明するものです。

カタシモワイナリーは、今後も地域遺産を活かした官民連携や大学、異業種企業との連携を進め、日本のワイン文化の発展に貢献していく予定です。

カタシモワイナリー概要

所在地: 大阪府柏原市
創業: 大正3年（1914年）
受賞: ヴィナリ国際コンクール金賞（2023年）、農林水産大臣賞（4回受賞）など
その他: 「がんばる中小企業・小規模事業者300社」(経済産業省)、「地域未来牽引企業」(経済産業省)にも選定

この受賞は、日本の蒸留酒、そしてカタシモワイナリーの技術力の高さを世界に示す大きな一歩となりました。今後、同ワイナリーがどのような挑戦を繰り広げるのか、注目が集まります。