脱炭素社会に向けた新たな一歩
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社が、脱炭素社会の実現に向けた取り組みとして、カーボンフットプリント(CFP)の算定に着手しました。これは、農林水産省が実施している「加工食品のCFP算定実証」に参画する形で行われたもので、特に「キレートレモンWレモン500ml(PET)」を対象に分析が行われました。今回の調査結果から、原材料の調達が全体の60%以上を占めることが確認され、企業の環境への影響を可視化する貴重なデータとなりました。
背景にある脱炭素のビジョン
ポッカサッポロの親会社であるサッポロホールディングスは、2050年にカーボンニュートラルを目指すため、2030年に向けて厳しい温室効果ガス排出量削減目標を設定しています。この中で、スコープ1とスコープ2では2022年度基準からそれぞれ42%の削減、スコープ3では25%を目指します。このように、持続可能な未来を見据えた企業戦略が進行中です。
CFP算定の結果とその意義
今回のCFP算定では、ポッカサッポロが提供する様々な製品が対象となりました。「キレートレモンWレモン」に加えて、主力製品である「ポッカレモン100 450ml(ビン)」や「加賀棒ほうじ525ml(PET)」、「業務用冷凍瀬戸内レモンストレート果汁500G(袋)」についても自主的にCFPを算定した結果が出されています。
これにより、原材料調達から生産、流通・販売、使用・維持管理、廃棄・リサイクルに至るまでのCO2排出量が明確に可視化され、ホットスポット分析が行われました。この分析結果から、原材料段階での排出量の高さが浮き彫りになり、温室効果ガスの排出削減に向けた課題が明確となりました。
今後の取り組み
ポッカサッポロは、得られたデータを基に、温室効果ガス(GHG)排出量削減に向けた上流での取り組みを進めていく計画です。原材料の調達過程でのCO2排出を削減するためには、産地や仕入れ先との連携を強化し、持続可能な資源調達を実施する必要があります。また、廃棄物のリサイクルやエネルギー効率を高めるための新しい技術やプロセスの導入も検討されています。
このように、ポッカサッポロフード&ビバレッジのカーボンフットプリントの算定は、環境に優しい製品作りへの第一歩であると同時に、他企業に対する先進的なモデルケースとなり得ます。今後も企業の環境負荷を低減する取り組みを積極的に推進し、消費者とも共に持続可能な未来を築いていくことが求められています。