2000年代ヒップホップの金字塔『Madvillainy』の解剖
2004年にリリースされたマッドヴィランの『Madvillainy』は、ヒップホップ界において不動の地位を築いた名盤です。このアルバムは、トレードマークである鉄仮面を被った奇才ラッパーMFドゥームと、職人ビートメイカーのマッドリブによる伝説的なコラボレーションとも言える作品です。 この度、そんな『Madvillainy』を徹底的に考察した日本初の書籍『マッドヴィランの嘘と真実MFドゥームとマッドリブのアンダーグラウンド・ヒップホップ伝説』が、2025年12月16日に刊行されます。
名盤『Madvillainy』の人気とその背景
『Madvillainy』は、米大手音楽メディア「ピッチフォーク」による〈オールタイム・ベスト・ラップ・アルバム100〉で堂々の第10位に選ばれ、カルト的な人気を集めています。アルバムの中には、難解な歌詞や、古今東西の音源をサンプリングした緻密なビートが詰め込まれています。これらの要素が、ヒップホップファンを惹きつけ続ける理由の一つとなっています。
本書では、ピーナッツ・バター・ウルフをはじめとした当時の関係者への取材や貴重な資料を基に、『Madvillainy』の裏側に迫ります。彼らの視点から見た当時のヒップホップシーンや、アルバム制作の背景など、詳細にわたる考察が展開されます。
特別コンテンツの魅力
日本語版には、特別コンテンツが2つ収録されています。
- - 第一のコンテンツは、ビートメイカーであり本書の訳者である吉田雅史による解説です。図表5点と2万字を超える解説が含まれており、アルバムの音楽的な側面を深く理解する手助けをしてくれます。
- - 第二のコンテンツは、MFドゥームとマッドリブのそれぞれの重要アルバム20枚を紹介したディスクガイドです。このディスクガイドを通じて、彼らの音楽の本質にさらに迫ることができます。
著者と訳者のプロフィール
本書の著者、ウィル・ヘイグルは、アメリカ・イリノイ州シャンペーン出身の作家で、カリフォルニア州ロサンゼルスに在住しています。彼は『ローリング・ストーン』や『コンプレックス』などのメディアに寄稿しており、その深い知識に基づいた視点から本書を執筆しました。
一方、訳者の吉田雅史は、批評家でありビートメイカーとしても名高く、幅広い知識を持つ専門家です。彼はヒップホップの研究や創作にも積極的に関わっており、豊富な経験を基に本書の翻訳を担当しました。さらに、梶本麻須久という名の覆面翻訳家も作品に参加しています。
書誌情報
- - 書籍タイトル:『マッドヴィランの嘘と真実MFドゥームとマッドリブのアンダーグラウンド・ヒップホップ伝説』
- - 著者:ウィル・ヘイグル
- - 訳者:吉田雅史+梶本麻須久
- - 刊行形態:四六判・並製・280ページ
- - 価格:本体2,400円+税
- - ISBN:978-4-86647-226-3
- - 発売日:2025年12月16日
- - 発行元:株式会社ディスクユニオン、発売元:DU BOOKS
この本を通じて、マッドヴィランの魅力を存分に楽しみ、新たな発見を感じてみてはいかがでしょうか。