人間国宝・山本東次郎が織り成す、狂言の魅力を体感できる公演

狂言の真髄を体験する「第17回狂言全集」

2025年10月25日（土）に、川崎市にある川崎能楽堂にて『第17回狂言全集』が上演されます。この公演は公益財団法人川崎市文化財団が主催し、狂言という日本の伝統演劇の魅力を存分に楽しむことができる内容です。人間国宝であり、狂言界の巨匠、山本東次郎がシテを演じる「萩大名」を始めとする3演目が繰り広げられます。

この『狂言全集』は、長い歴史を有する伝統芸能でありながら、現代の観客にも響く人間の愚かさや悲しさ、そしてそれを笑いに変える哲学を届けています。狂言は、観る者に深い思索を促しながらも、楽しさを忘れさせないエンターテインメントです。今回の公演では、200作品以上存在する狂言の中から、特に選りすぐりの演目が上演されます。

演目一覧

- 狂言「萩大名」（シテ：山本東次郎）
- 狂言「右近左近」（シテ：山本泰太郎）
- 狂言「禰宜山伏」（シテ：山本則重）
- 狂言解説（山本東次郎）

各演目のあらすじは以下の通りです。

「萩大名」

長期の都暮らしに疲れた大名は、太郎冠者に気分転換を提供してもらおうとします。そこで訪れるのは、美しい萩の花が満開の庭。しかし、庭主からの和歌を求められ、大名は頭を悩ませることに。この喜劇的な展開は、観客を笑いと共に、感情に揺さぶる瞬間を提供します。

「右近左近」

豊作を喜ぶお百姓の右近が、隣の左近と牛をめぐる訴訟を思い立ちます。口才に自信のない右近は、妻からの助言を受け、訴えの準備を進めます。このエピソードも、日常的な悩みの中に潜んだ人間模様を輝かせるものです。

「禰宜山伏」

I世神宮の禰宜が茶屋で出会う山伏とのやりとりがユーモラスに描かれます。茶をめぐる騒動が繰り広げられ、やがて二人の間で勝負が決まります。このストーリーは、対立から生まれるコミュニケーションの面白さを引き立てています。

公演後には、山本東次郎による解説も行われ、観客が狂言の奥深さを再確認できる素晴らしい機会となっています。狂言が初めての方々にもお楽しみいただけるよう、分かりやすい解説が期待されます。

開催概要

- 日にち: 2025年10月25日（土）
- 開演時間: 14:00（開場13:30）
- 会場: 川崎能楽堂
- チケット:

- 正面席：3,500円
- 脇正面・中正面席：3,000円
（全席指定・税込）

チケットは現在、カンフェティにて好評販売中です。詳細や購入方法についてはこちらからご確認ください。

この伝統芸能に新たな息吹を吹き込む『第17回狂言全集』。ぜひご参集いただき、日本の文化の深淵に触れてみてください。