2025年1月25日(土)、愛知県長久手市に位置する「介助犬総合訓練センター~シンシアの丘~」で、記念すべき通算150回目の見学会が開催されました。このセンターは2009年に設立され、これまでに41組の介助犬ペアを輩出しています。現在、日本国内にはわずか60組の介助犬ペアが存在する中で、施設はその育成現場を公開し、広くその存在を知ってもらうことを目的としています。
150回目の見学会には、13組45名の参加者が集まり、介助犬の役割やその重要性についての理解を深めました。高柳友子理事長は、参加者への感謝の意を述べ、「多くの方が遠方からも見学にいらしていただき、支援者の方々のおかげで150回目を迎えることができました」と語りました。今後も支援をいただけるよう、活動を続けていくという意気込みも述べました。
見学会では、実際の介助犬が行う介助動作のデモンストレーションも行われました。犬が落とした物を拾う様子や、靴下を脱がせ、冷蔵庫からペットボトルを持ってくるなどの動作に、参加者は感嘆の声を上げ、盛大な拍手を送る場面も見られました。犬舎やトレーニング室の見学も行われ、障がい者が宿泊訓練を行う様子を目の当たりにしました。
さらに、岡山県からZoomで参加した介助犬の使用者も体験談を共有し、介助犬との生活がもたらす変化や利点について語りました。質疑応答の時間では、介助犬が飛行機を利用する際の座席や、使用者が犬のケアをどのように行っているのかといった具体的な質問が相次ぎ、参加者たちの関心の高さが表れました。
高柳理事長は、最後に「まだまだ介助犬に関する認知度は低い状況です。見学会を通じて、皆様にその存在と重要性を知っていただきたい」と締めくくりました。
「シンシアの丘」は、日本初の介助犬総合訓練施設として知られています。こちらの施設では、障がいを抱える方々が宿泊しながら介助犬候補生たちと共に訓練を行う「訓練室」を備えており、数多くの介助犬がここで育成されています。また、見学会では介助犬の訓練そのものを観察できるほか、彼らの社会的役割についての知見も得られます。
介助犬とは、肢体に不自由を持つ人々のニーズに特化して訓練された犬です。彼らは日常生活でのサポート役として様々な能力を持ち、特に落とした物を拾ったり、携帯電話の位置を探し出したりするなど、幅広い業務をこなします。しかし、日本全国で60ペアしかおらず、その育成の多くは企業や個人からの寄付に依存しています。
社会福祉法人日本介助犬協会は、愛知県と神奈川県に拠点を持ち、全国を対象に介助犬の普及活動を進めています。犬たちの特性を活かし、「Dog Intervention」と称する活動や虐待被害に遭った子どもたちへの支援向き合う取り組みなども行っています。次回の見学会も楽しみにしており、詳細は公式ウェブサイトで随時更新されています。
ぜひ、介助犬の存在を広めるためにも「シンシアの丘」への訪問を検討してみてはいかがでしょうか。公式サイトへのリンクは以下です。
シンシアの丘公式ウェブサイト
見学会は事前予約制ですので、興味がある方は早めの予約をお勧めします。