ヒュンメルと1. FCケルンが共に創るインクルーシブなサッカー体験
デンマークのスポーツブランドであるヒュンメルが主催するインクルーシブサッカー大会『ゴチャタノ』が、今年も東京都江戸川区で開催されました。このイベントは、知的障がいのある人とない人が混成チームを組み、ボールを使った多様なフォーマットで楽しむことを目的としています。昨年に引き続き、ドイツの名門サッカークラブ1. FCケルンがサポートし、200名以上の参加者が集結しました。この日、参加者たちは多様性を大いに感じる一日を過ごしました。
ゴチャタノのユニークな特徴
『ゴチャタノ』では、プレイヤーはバランスボールや風船、ソフトラグビーボールを用いてサッカーを楽しみます。このユニークなスタイルは、サッカーの技術や経験に依存せず、参加者が自由に楽しむことができる環境を整えています。勝敗よりも参加すること自体の楽しさが重視されます。
昨年の開催から厳しいコロナ禍を経て、今年は選手層がさらに厚くなりました。年齢は4歳から65歳まで、さらには下肢切断を経て日本代表として活躍するアンプティサッカー選手も参加し、多世代での交流が実現しました。特にチームごとに用意された21種類のユニフォームは、参加者同士の団結感を高める重要な要素です。視覚でチームメイトを認識しやすいユニフォームにより、コミュニケーションが円滑に進みます。
ウォーミングアップから始まる交流
イベントのスタートは、チームのメンバーが名前やゴールパフォーマンスを考えるところから始まります。その後、1. FCケルンのU-12監督エヴァンゲロス・ネソスさんがウォーミングアップを指導。参加者たちが合図に合わせて動くことで、お互いの距離が縮まり、笑顔が広がります。参加者の吉澤さんも「自然にコミュニケーションを取る中で、心の距離が一気に縮まりました」と振り返っています。
企業の支援による温かさ
ゴチャタノには、さまざまな企業の協賛による参加賞やお土産も用意されています。本年も牛乳石鹸共進社が多くの景品を提供しており、「勝敗ではなく楽しい体験を提供することを重視しています」と同社関係者が語っています。これにより、参加者はただ楽しむだけでなく、企業の理念にも触れる機会を得ることができます。
参加者の思いとヒュンメルのビジョン
1. FCケルンのネソスさんは「参加者の笑顔が溢れる素晴らしいイベントでした」と感想を述べ、遠方から来る参加者も多いことに驚かされたと語りました。彼は、このイベントがどれほどの労力と時間をかけて実現されたかを強く感じ、オーガナイザーの努力にも感謝の意を示しています。
一方、ヒュンメルは「Change the World Through Sport.」という理念のもと、スポーツを通じて世界を変えることを目指しています。ゴチャタノは参加者一人一人の体験によって成り立っており、その笑顔が次々と広がっていく様子は、地域のコミュニティ形成にも寄与しています。今後もトラッソスと連携しながら、さらなる取り組みを進めていくことでしょう。
トラッソスについて
認定特定非営利活動法人トラッソスは、障がいのある子供たちと健常者の共生を目指したサッカースクールです。サッカーを通じて相互の理解と尊重を深める活動を展開しており、障がい者と健常者が共に成長できる未来を目指しています。
1. FCケルンについて
1. FCケルンは、ドイツのサッカークラブで1948年に設立され、熱烈なファンに支えられながらクラブの歴史を重ねてきました。過去には日本人選手も多く在籍し、その運営スタイルも特異です。2024-25シーズンにはブンデスリーガ2部に降格しますが、即時の1部復帰を目指しています。
ヒュンメルと1. FCケルンのコラボレーションによって生まれる活動は、一般にはあまり知られていないインクルーシブの重要性を再認識させる素晴らしい機会となっています。