人工種苗の認証
2021-01-18 17:07:03
国内初の人工種苗認証制度が確立、持続可能な水産養殖へ大きな一歩
国内初の人工種苗認証制度が確立
2021年、ビューローベリタスジャパン株式会社が国内初となる人工種苗の生産から出荷に関わる認証書を発行しました。この取り組みは和歌山県西牟婁郡白浜町に位置する近畿大学水産養殖種苗センターが運営する白浜事業場に関連しています。これにより、人工種苗の生産、養殖、成魚の販売までの全てのプロセスが認証され、持続可能な水産養殖に向けて一歩前進したと言えるでしょう。
人工種苗JASとは
人工種苗は、水産養殖において重要な役割を果たす要素です。そして、人工種苗JAS(Japan Agricultural Standards)は農林水産省が規定した、人工種苗を用いた養殖に関する認証制度です。この制度は、2019年に施行され、品質や技術に関する特性を持つものに認証を付与することで、国内外への信頼性を向上させることを目的としています。特に、今回のビューローベリタスの取り組みにより、人工種苗を活用して育成される水産養殖についても、一定の基準が設けられ、消費者に安心を提供します。
この認証制度の意義は、限りある水産資源の保全につながり、持続可能な漁業の実現に向かっての重要な一歩となることです。産業界でも、環境問題の意識が高まる中、サステナビリティを意識した取り組みが求められています。人工種苗使用による養殖事業は、天然資源に依存しないという特徴を持ち、今後の水産業においてますます重要性が増してくることでしょう。
近畿大学水産養殖種苗センターの役割
近畿大学水産養殖種苗センターは、設立以来、養殖用の人工種苗の量産化に貢献してきました。初代種苗センター長である原田輝雄氏は、天然資源に依存しない養殖用原魚の必要性を訴え、人工種苗の生産に取り組んできました。このセンターの活動は、地球規模の人口増加や途上国の所得向上に伴って、魚類の需要が増加する現代において、持続可能な養殖の重要性をますます高めています。
さらに、近畿大学水産養殖種苗センターは、将来的な食糧供給においても重要な役割を担っています。環境への配慮と持続可能な水産養殖体制の構築を目指し、ますます注目を集めることでしょう。
ビューローベリタスの役割
ビューローベリタスは1828年に設立されたフランス本社の企業で、試験・検査・認証(TIC)機関として世界中で評価されています。日本法人のビューローベリタスジャパン株式会社は、特に建築確認検査やISO認証において高い信頼性を持っており、各産業分野での検査や試験を行っています。今回の人工種苗認証の発行は、持続可能な水産業における信頼性を高め、消費者に安心して選んでもらえる水産品の流通に寄与するものです。
このように、ビューローベリタスが発行した人工種苗の認証制度は、持続可能な水産養殖の実現に向けて重要なステップとなっています。今後もこの流れが続くことで、資源保全と食料供給の両立が図られていくことが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
ビューローベリタスジャパン株式会社
- 住所
- 神奈川県横浜市中区山下町22山下町SSKビル5F
- 電話番号
-
045-641-4217