エヴ・カデューのアジア初個展が奈良で開催
2025年の大阪・関西万博を控え、全世界が未来を見据える中、カナダ出身の写真家エヴ・カデューのアジア初個展「J’AI VU LE FUTUR / 私は未来を見た」が、2025年10月17日から2026年1月18日まで、奈良のMOMENT Contemporary Art Centerで開催されます。この展示は、万博の開催が社会に与えた影響を再考する機会となるでしょう。
エヴ・カデューの背景
エヴ・カデューは、モントリオールで生まれ、現在はケベック・シティーに在住しています。彼女は25年以上にわたり、写真を通じて物質や記憶、消費文化に対する批評的なアプローチを追求してきました。特に、「J’AI VU LE FUTUR(私は未来を見た)」というシリーズは、彼女の代表作であり、10年以上にわたる作品です。
このシリーズの誕生の背景には、彼女が幼少期にモントリオール万博の跡地を訪れた経験があります。このゲロナイドな体験が、彼女を世界各地に点在する万博跡地の撮影へと駆り立てました。
万博跡地の複雑な時空間
「未来の祭典」とされる万博の跡地には、様々な姿が見られます。一部は地域の人々に利用され、また一部は放置されて廃墟化が進んでいます。そんな中、万博の理念は、どのように変容しているのか、カデューは注目しています。彼女は、これらの跡地を「実現しなかった未来」として捉え、人間中心の社会がもたらした社会・経済の不平等や、私たちが抱く「未来」という概念の欠陥を指摘しています。
記憶と未来の関係性
エヴ・カデューの作品は、人間の進化と発展が求める「平和」の実現が、万博後にどのように実現されているかを振り返らせます。この展覧会は、私たちが「未来」をどう捉えるか、そしてそれが現実とどのように結びついているのかを再考させる貴重な機会です。
開催情報
本展は、2025年10月17日にオープニングレセプションを開催します。会期中、入場は無料です。また、10月17日にはカデューによるトークイベントも催される予定です。入退場自由で、日本語の通訳が用意されています。
展覧会概要
- - 会期:2025年10月17日(金)~2026年1月18日(日)
- - 場所:MOMENT Contemporary Art Center
- - 時間:11:00~19:00(休館日:月・火、年末年始)
この個展を通じて、万博の理念に対する新たな視点を得ることができるでしょう。エヴ・カデューの深い視点と鋭い観察力が生み出す作品をぜひお楽しみください。