シロザケの完全養殖
2026-05-27 14:51:34

岡山理科大学が目指すシロザケ完全養殖プロジェクトの全貌

シロザケの完全養殖プロジェクト



岡山理科大学と新潟県村上市の共同研究によって、新たな試みが始まりました。それは、シロザケの世界初の完全養殖を目指す陸上養殖プロジェクトです。この取り組みは、温暖化の影響でサケの漁業が危機的な状況にある中で行われています。

村上市は平安時代から日本海側で名高いサケの産地として知られています。しかし、近年では温暖化が魚種の生息域を変化させ、放流したサケの稚魚が他の魚に捕食される事例が増加し、川に戻ってくる個体数が急激に減少しています。国立研究開発法人水産研究・教育機構の調査によると、2025年には新潟県におけるサケの単純回帰率が0.06%にまで落ち込む見込みです。これは1989年以降の最低値であり、放流したサケがほとんど生還していない状況を示しています。

そこで村上市は、陸上養殖に目を向け、サケの町の復興を図るために、岡山理科大学の生物科学科山本俊政准教授にその役割を託しました。

養殖のプロセス



今回のプロジェクトでは、村上市から届けられた2,500匹の稚魚を使用しています。平均体重は23グラム、体長は13センチに成長した現在、彼らは35トンの水槽で元気に泳いでいます。初めに8〜9センチ、5グラムのサイズからスタートし、段階的に成長してきました。今後、1年で体重1キログラム、2年で1.5〜3キログラムに達する見込みです。

この完全養殖の目標は、発眼卵から親魚を育成し、さらに人工的に苗を育てることです。この実現は世界的にも画期的な成果となるでしょう。山本准教授は2015年に行ったシロザケの数十匹における陸上養殖の成功体験から、今回のプロジェクトには自信があると語っています。

その際には脂が乗った良質なシロザケ「トキシラズ」が出来上がったこともあり、山本准教授は「完全養殖の成功が実現すれば、世界の漁業に対する影響は計り知れない」と述べています。

今後の展望



山本准教授は、今回の養殖の成果を見極め、村上市との協議を通じて次のステップを決定する考えです。さらに、好適環境水センターの津村誠一教授や技術員の齊藤華緒里さん、山内啓誠さんとともに養殖の進行を担当しています。

シロザケの水槽の前に立つ山本准教授やスタッフたちの姿は、未来の可能性を感じさせます。2015年に養殖した「トキシラズ」は体重1.2キログラムに達し、当時は試食イベントも行われました。今後のシロザケの養殖が成功することで、村上市だけでなく、漁業全体に新たな活力をもたらすことが期待されます。

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