新たな循環型ファッションの取り組み
株式会社マッシュスタイルラボが伊藤忠商事、そしてそのグループ会社である株式会社三景との協業を発表しました。この3社は、先進的な衣類循環モデルの構築に向けて取り組むことになります。具体的には、マッシュスタイルラボが製造するSNIDELの製品において、裁断くずから再生されたリサイクル裏地を使用し、ブランド内での循環型リサイクルを実現することを目指します。
協業の背景と目的
マッシュスタイルラボは「私たちの発想を形にし、人々に幸せを届ける。」という企業理念のもとに多岐にわたる事業を展開しており、環境への配慮を重要なテーマとしています。特に、サプライチェーン全体における持続可能性の推進に力を入れており、既に「サステナブルアライアンス」を結成し、業界の持続可能な取り組みをリードしているのです。
今回の協業は、「RENUプロジェクト」に基づいており、生産工程で発生した裁断くずをリサイクルすることで廃棄物問題に直接アプローチ。縫製工場で発生した約48万トンの裁断くずを、廃棄物として焼却するのではなく、資源として有効活用し、CO2排出量削減を目指すという取り組みです。
具体的な流れ
この協業では、ポリエステル100%の裁断くずを回収し、ケミカルリサイクル技術によって新たな繊維として生まれ変わります。その繊維から三景が裏地を供給し、SNIDELの2026年1月以降に発売される商品に採用される予定です。これにより、従来のバージンポリエステル裏地と比較し、年間で38tのCO2排出量と127,000リットルの水を削減することが期待されています。
各社のコメント
マッシュスタイルラボの岩木久剛執行役員は、裁断くずを資源として循環させることで、ものづくりの在り方を見直すことの重要性を強調しています。彼は、今回のプロジェクトが単なる環境負荷の軽減にとどまらず、消費者に対しても製品の背景や価値を理解し、感じていただける機会を提供するものだと考えています。
伊藤忠商事の山下眞護氏も、ファッションロス問題の解決に向けての重要な一歩であると評価し、今後も協業を通じて循環型経済の実現を加速させていく意欲を示しています。三景の島田秀利氏も、アパレル業界の資源循環が社会的課題であることを認識し、今後の取り組みの成果に期待を寄せています。
未来への展望
この協業は循環型ファッションの新たなモデルとなることが期待され、今後の動向に注目です。SNIDELの商品群が全てリサイクル裏地に置き換わることで、持続可能なファッションの実現へと繋がるでしょう。環境への配慮とファッションが共存する未来が、ここから始まります。