コソダテノミカタがグッドデザイン賞優秀賞を受賞
2024年度グッドデザイン・ニューホープ賞において、気仙沼市の子育てコレクティブインパクトプラットフォーム「コソダテノミカタ」が全国の中から選ばれ、優秀賞を受賞しました。この賞は、将来のデザイン分野の発展を担う新世代のクリエイターを支援することを目的としており、2022年度に新設されました。
グッドデザイン・ニューホープ賞の理念
グッドデザイン・ニューホープ賞では、「優れたデザイン」とはすなわち以下の理念に基づくものであると位置づけています。これらの理念は、デザイン賞の根本的な価値観を反映しており、人間性や本質的な洞察、未来への創造力、豊かな想像力、社会的な倫理観を重視しています。
受賞作品は、「物のデザイン」、「場のデザイン」、「情報のデザイン」、「仕組みのデザイン」の四つのカテゴリーに分けられ、それぞれのカテゴリーで上位2作品が表彰されます。本賞におけるコソダテノミカタの評価は、その枠を超えて、「地域で育てる」という理念を具体化し、実際に成果を出していることにあります。
コソダテノミカタの活動とは
コソダテノミカタは、宮城県気仙沼市全域にわたり、子育て支援団体と市役所担当課が共同で構築したプラットフォームです。この活動では、個々の団体では解決が難しい育児に関する根本的な課題を分析し、協力してより良い支援体制を整えています。昨年度だけで、参加者数は11,343名に達し、多くの市民がこの活動に関わっています。
昨年度の活動では、さまざまなサービスの利用があり、特に一時預かりやコミュニティ形成などが多く利用されました。これらの実績は、地域における強い支持を反映しています。
日本における官民連携
近年、日本では官民連携における政策推進が進められていますが、地域社会での「協働」もその重要な要素とされています。コソダテノミカタにおける受賞は、この協働の姿勢に対する高い評価の表れともいえます。特に、震災後の気仙沼市における子育て支援は、行政支援だけではなく、地域住民の積極的な参加によって強化されてきました。
今後の見通し
コソダテノミカタは、引き続き気仙沼市における子育て環境の向上に努めると同時に、全国に向けた新しい協働の形を模索し提案していく方針です。地域に根ざした支援体制の構築を目指し、今後の活動がますます注目されます。
受賞に際してのコメントでは、事務局長の田中惇敏氏が、「この受賞は気仙沼の子育てに関わる全ての人々への贈り物」と語っています。引き続き、地域社会全体で子育てを支えていく姿勢を強調し、今後の期待を寄せています。