常陽銀行が挑んだ新たな顧客接点の最適化
茨城県を拠点に地域密着型の金融サービスを提供している常陽銀行。近年、デジタルチャネルの重要性が増す中で、同行は新たな顧客接点を模索していました。特に、従来のWeb広告による集客では、約8〜9割の人々が申し込み前に離脱してしまうという問題を抱えていました。これを踏まえ、常陽銀行はLINEを利用した顧客コミュニケーションソリューション「PickUp」を導入することに決めました。
課題の把握
非対面でのコミュニケーションが重要視されるなか、同銀行は広告やSEO施策で流入は確保できているものの、顧客の離脱が続いており、費用対効果が最大化されていない状況でした。また、従来のcookieを用いたリターゲティング広告も規制強化により活用が難しくなっていたのです。
PickUpの導入
常陽銀行では、ユーザーが離脱した直後に、生活に浸透したLINEを通じて自然にアプローチできる点に着目しました。まずは、ローン分野からトライアルを開始し、その後はNISAなどの資産運用領域に展開を進めています。導入後、LINEを通じて顧客に直接メッセージを配信し、商品の特性に合わせたアプローチを行いました。ローン領域ではアクションを促すメッセージを、資産運用では段階的に興味を引く情報提供をしています。
改善と成果
毎月の施策改善も継続的に行い、季節ごとのキャンペーンに応じた配信シナリオを設計。これにより、月間100〜150件の新規獲得を実現しました。スポット配信によるタイミングの工夫も功を奏し、1日に3〜5件の追加獲得が可能となりました。
持続的な顧客接点の形成
LINEを通じてのナーチャリングの確立は特に重要です。NISAのような即決が求められない商材でも、顧客と気軽に持続的な接点を持つことに成功しました。この継続的なコミュニケーションが、従来の難しい課題を解決する鍵となっています。
今後の展望
これまでの成功を踏まえ、常陽銀行はさらに多様な商品への展開や新たなアプローチ方法を模索しています。顧客との関係性を強化し、非対面チャネルでの成果を上げていくための取り組みを今後も続けていくでしょう。本記事では、このような挑戦をする常陽銀行の取り組みを詳しく紹介しました。