自動車業界回復が鍵、来期の営業利益の見通し
会社四季報春号によると、来期の営業利益は全産業で6.6%の増加が期待されています。全上場企業の中でも、特に注目されるのが自動車業界の動向です。2025年度の第3四半期決算が発表され、業界の回復がどのように展開されるかが焦点となっています。
今回の決算報告では、3643社を対象にした結果、全体で12.8%の営業増益が見込まれています。特に半導体関連の企業、東京エレクトロンやアドバンテスト、キオクシアホールディングスなどは、その成長が著しく、生成AIの普及が活発な投資を促し、前期の不振から見事に回復しています。これにより、電気機器業界全体としては30.9%の営業増益が見込まれ、全産業を牽引する要因となるでしょう。
一方、自動車業界に目を向けると、トヨタ自動車や日産自動車、いすゞ自動車などが減益の見込みであることが懸念材料です。この業界はサプライヤーを含めると非常に多くの関連ビジネスを持っているため、主要自動車メーカーの業績が悪化すると、その影響は広範囲に及びます。これにより、輸送用機器部門は8.7%の営業減益が見込まれています。
しかし、来期に向けては自動車業界も好転が期待されており、トヨタなどが業績を改善することで、輸送用機器は8.8%の営業増益に転じる予想です。また、電気機器部門も引き続き9.8%の営業増益が見込まれています。
懸念されるのは、アメリカのトランプ政権による関税政策や為替の影響です。現時点では、米国の関税政策の影響が見極められない状況ですが、30社近くの企業からは業績に関連するコメントも寄せられています。また、為替レートについても1ドル150円前後、1ユーロ160円前後を前提とした予測がされています。
今後の展望
全体としては、今回の業績予想は非常に明るい結果となっており、特に電気機器などの成長が期待されています。自動車業界においてもトヨタをはじめとする大手メーカーの回復が期待されており、こうした業績の動向が国内経済全体に与える影響も大きいでしょう。今後の為替や政策の変化に注視しつつ、これらの企業がどのように業績を推移させていくのか、引き続き注目していく必要があります。