スターゼンの環境への挑戦
スターゼンが新たに始めた温室効果ガス(GHG)削減の取り組みが注目を集めています。同社は、持続可能な畜産経営を後押しするため、和牛の肥育段階で特別な飼料「AjiPro®‑L」を使用し、環境対策を経済的価値として農場に還元する仕組みを構築しています。これにより、生産の効率を向上させつつ、環境負荷を軽減することを目指しています。
取り組みの背景
気候変動は畜産業に多大な影響を与えており、家畜の生育環境に直接的な影響を及ぼしています。スターゼンは、2023年10月から北海道・浜中黒牛の牧場において、交雑牛にAjiPro®‑Lを与える飼育試験を行い、1日あたりの体重増加量が約10%向上したことを確認しました。また、枝肉の重量も約23kg増加する効果が見られました。
この試験に基づいた温室効果ガス削減効果は、牧場全体で年間約100トン、144頭を前提とした場合の試算です。この取組は、基本的な成果を元に、より価値の高い和牛での展開を進めていきます。
ビジネスモデルと今後の展望
はまなか牧場では、引き続きAjiPro®‑Lの和牛肥育への導入を進め、生産性、肉質、健康状態、GHG削減効果など多面的に検証していきます。将来的には、環境配慮型のブランド牛の開発や、海外市場への輸出を通じて付加価値向上を図る予定です。
「環境負荷低減と生産性向上は両立できる」という強い信念のもと、業界の重要課題に挑んでいる取り組みです。畜産は地域経済や食文化を支える重要な産業であり、持続可能な形での進化が求められています。今後もはまなか牧場と連携し、持続可能で選ばれる和牛ブランドを確立していくための努力を続けてまいります。
J-クレジットによる価値化
スターゼンの取り組みでは、GHG削減分をJ-クレジットとして価値化し、農場へ還元する新しいモデルを構築しています。これにより、環境対策を単なるコストとせず、価値として位置付けることで、持続可能な経営が実現可能になります。
AjiPro®‑Lについて
AjiPro®‑Lは、味の素が2011年から投薬している牛用のアミノ酸リジン製剤です。牛の第一胃で分解されがちなリジンを、独自の製造技術で小腸まで届けることが可能で、これが生産性の向上に寄与しています。現在、世界中で多くの畜産業者によって使用されているこの製品は、肥育効率を改善する上で欠かせない存在です。
この新たな一歩により、環境対策とともに持続可能な畜産モデルの確立に向けた道筋が示されました。スターゼンはこれからも、環境にやさしい農業を推進し続けることを約束します。