リガクが半導体製造拡大に向けた新たな一歩
株式会社リガクは、その本社を東京都昭島市に構え、X線分析装置のグローバルリーダーとして知られています。この度、同社は大阪府高槻市にある自社工場と山梨県韮崎市の協力会社である日邦プレシジョン株式会社第6工場において、半導体プロセス・コントロール機器の生産能力を大幅に増強しました。
この拡大は、急速なAI半導体の普及という市場の変化に対応するためのものであり、半導体製造および検査装置市場が過去に類を見ない勢いで成長しています。高性能、多密度化が進む半導体においては、超薄膜や多層膜、さらには3次元メモリやトランジスタといったナノスケールの複雑な構造の正確な計測が不可欠です。これにより、リガクのX線分析技術に対するニーズが一段と高まっています。
生産能力の大幅な拡張
今回の工場拡張により、組立および検査エリアの広さが約2倍に増加しました。特に、山梨工場で生産される重要な部品(X線源や検出器など)の生産能力の強化と併せて、2025年第4四半期には、前年同期比で生産能力が約50%増加する見込みです。また、2027年までにはさらに50%の増強を見込んでいることから、今後の需要に柔軟に対応する体制が整いつつあります。
このような拡張に伴い、半導体プロセス・コントロール機器の売上は2025年第4四半期に大幅な伸びが期待されており、通年で前年比約20%の成長を見込んでいます。これはリガクが半導体業界のニーズに対し積極的に対応している証でもあります。
グローバルな成長を目指す
リガクは、今後も半導体メーカーが求める最先端の装置を提供し続けることで、グローバル市場でのさらなる成長を目指してまいります。リガクグループは、X線分析を基盤とし、さらなる先端的分析技術の開発に注力しています。これは1951年の創業以来、90カ国以上での実績から得た知見が活かされており、日本国内での高いシェアを誇り、約70%の売上が海外からのものであることがその証明です。
まとめ
リガクが打ち出した半導体製造の拡張計画は、今後の業界動向に対する敏速な対応を示しています。同社の取り組みは、半導体製造だけではなく、多岐にわたる分野においても成長の原動力となるでしょう。今後のリガクの動向に注目です。