中古マンション高騰の理由
2025-02-28 17:22:18

都市部の中古マンション価格高騰率に見る資産価値の真実

中古マンション価格高騰の背景



最近、都市部の中古マンションの価格が急騰していることが話題です。この動向は、資産としての価値が高まっているという見方が広がっています。実際、東日本不動産流通機構のデータによれば、首都圏における中古マンションの㎡単価は、バブル期である1990年を超えています。この記事では、東京都、大阪市、名古屋市の各エリアにおける中古マンションの高騰率を詳細に分析し、その理由を探ります。

1. 東京都23区の中古マンション高騰率



まず、東京都23区を見てみましょう。福嶋総研によるデータでは、2001年以降に築かれたマンションの価格は、2024年に向けて大きな上昇が見込まれています。特に、都心の3区(千代田区、中央区、港区)は、いずれも10%以上の高騰が確認されており、これが物件価格の上昇に直接結びついています。都心エリアの物件価格が高いほど、高騰率も高いという傾向が明確に示されています。周辺エリアも高騰しているものの、都心からの距離が増すにつれ、その高騰率は減少していくことが観察されています。

2. 大阪府大阪市の中古マンション高騰率



次に、大阪市の動向を見てみましょう。こちらも同様に中古マンションの価格は上昇しており、特に北区、西区、福島区、中央区などの人気エリアでは高騰率が高いです。特に御堂筋線沿線の価格上昇は顕著で、都市の中心に近いエリアほど投資価値が上がっていることが分かります。このように、大阪市でも価格が高いエリアほど高騰率が増加する傾向にあります。

3. 愛知県名古屋市の中古マンション高騰率



最後に、名古屋市の状況です。ここでは、東京都23区や大阪市とは異なり、名古屋駅周辺の高騰率は5%未満のエリアが目立ちます。名古屋市は、ロードサイドにマンションが多く建設される傾向があり、その内側には戸建てが存在するため、戸建需要が相対的に高いのが特徴です。このため、中古マンションの価格上昇率は、他の都市に比べて低くなると考えられます。

まとめ



以上のデータからも分かる通り、都市部の中古マンション価格の高騰にはエリアによって明確な差があります。東京都23区や大阪市の中心部は、物件価格の上昇率が高く、これは投資価値の観点からも重要なポイントです。一方で、名古屋市では相対的に価格の高騰が抑えられていることも理解できました。これらの地域による違いを考慮することで、今後の不動産市場の動向を把握しやすくなります。

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筆者プロフィール



福嶋真司(ふくしましんじ)氏は、マンションリサーチ株式会社のデータ事業開発室に所属し、不動産データ分析を担当している専門家です。早稲田大学理工学部の卒業後、大手不動産会社でマーケティング調査に従事。以降は建築設計事務所にて法務・労務業務を経て、現在は不動産市場の調査とデータ分析を行っています。また、メディアや学術機関にもデータを提供し、広範な知識と見識で業界に貢献しています。


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会社情報

会社名
マンションリサーチ株式会社
住所
東京都千代田区神田美土代町5−2第2日成ビル 5階
電話番号
03-5577-2041

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