板橋区が薬局をクーリングシェルターに指定し熱中症対策を強化

板橋区が推進するクーリングシェルター制度

令和7年5月1日、東京都の板橋区は板橋区薬剤師会と協定を結び、薬局をクーリングシェルターとして活用する新たな取り組みを発表しました。この制度は、危険な暑さが続く中での熱中症対策の一環として、多くの人々の健康を守るために導入されます。

クーリングシェルターの重要性

昨今の気候変動に伴い、暑さによる健康リスクが高まっています。このため、国の気候変動適応法が改正され、自治体にはクーリングシェルターの整備が求められています。板橋区では、既に63か所の公共施設を指定しており、今回の協定により地域の薬局もその機能を担うことになります。

協定の具体的な内容

協定の内容においては以下のポイントが挙げられます：
1. 区内の参加薬局を「クーリングシェルター」として登録。
2. 熱中症特別警戒アラートが発表された際に、一般に開放。
3. クーリングシェルター・マークを掲示し、周知を図る。

このように、薬局が身近な避難所として機能することで、危険な暑さからの避難がしやすくなることが期待されています。

期待される効果

この取り組みの主な効果としては、以下の点が挙げられます：

- 各地域に全面的にクーリングシェルターを配置することにより、住民が危険な暑さから安全に避難できる場所が増加します。
- 薬剤師による専門的なアドバイスが受けられ、熱中症予防に関する知識が広がります。
- 特に高齢者など熱中症にさらされやすい人々への支援が強化されます。
- 区内に点在する薬局の利便性を活かし、地域住民がより身近でクーリングシェルターを利用できる環境を整えます。

今後の展開

協定締結当初は23カ所の薬局が協力する予定ですが、今後はさらに参加薬局を増やし、より広範な支援体制を整える計画です。また、区はクーリングシェルターマップを作成し、東京都と連携して住民へ周知を行います。具体的には、区のホームページで協力薬局一覧を公開し、アクセスしやすい情報を提供します。

さらに、熱中症予防に関する知識を楽しみながら学ぶ機会を提供するため、健康アプリ「いたPay健幸ポイント」を導入。クイズ形式で学ぶことで、参加者にはポイントが付与され、地域通貨「いたばしPay」を使用して、熱中症対策に対する意識を高めます。

まとめ

板橋区が実施するこのクーリングシェルター活用の取り組みは、地域住民の健康を守るための重要な一歩と言えるでしょう。薬局が地域の避難所として活躍することで、より多くの方が安全に夏を過ごすことができるようになることが期待されます。住民一人ひとりが熱中症の危険について意識を高め、健康で快適な生活を送れるような環境が整っていくことを願います。