三菱電機らによるロボット運用効率の向上を目指した実証実験の成果
2024年11月から2025年2月にかけて、三菱電機株式会社と三菱電機ビルソリューションズ株式会社(MEBS)は、株式会社タップからの委託を受け、経済産業省が推進する「ロボットフレンドリーな環境構築支援事業」に関連した研究開発プロジェクトの実証実験を実施しました。この実験の主な目的は、複合施設やオフィスビル、病院などで、異なるメーカーのロボット同士が効率的かつ安全に移動できる環境を整えることです。
実証実験は、沖縄県うるま市にある「タップホスピタリティラボ沖縄」で行われ、特に狭い通路や交差点でのロボット同士の衝突を防ぐための群管理方式が検証されました。これにより、ロボットの運用効率や多種多様なロボットの同時使用における課題を明らかにしました。
実証実験の概要と成果
期間と場所
- - 実施期間: 2024年11月1日から2025年2月28日
- - 実施場所: タップホスピタリティラボ沖縄(沖縄県うるま市)
プロジェクトでは、実際の施設環境内で、メーカーやタイプの異なる複数のロボットが同時に動くことが可能となるためのシステムの検証を行いました。主な成果は以下の通りです。
1.
群管理方式の導入: RFAが発行する群管理方式を採用することで、異なるメーカーのロボットを効率的に制御するインターフェースを実装しました。この結果、ロボット同士の衝突や対面膠着を防ぐことができ、運用効率の向上が確認されました。
2.
エレベーター利用の最適化: 多くの施設では、ロボットが使用できるエレベーターの数が限られています。本プロジェクトでは、Ville-feuille®の機能を拡張し、各ロボットに対して専用のエレベーターを割り当てることにより、エレベーターの使用効率を改善しました。これにより、ロボットの運用効率が大幅に向上しました。
今後の展望
今回の実証実験を通じて得たデータと知見をもとに、三菱電機とMEBSは、一般社団法人ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA)が策定している規格の標準化に向けた取り組みを強化します。また、これらの成果を活かして、今後の様々な施設の人手不足の解消に向けての施策を発展させていく予定です。ロボットと人間が共存する最適な移動環境の構築は、ビルソリューションの新たな進展を意味します。
このように、三菱電機の取り組みは、未来のビル管理におけるロボットの役割を革新するものであり、社会全体の効率を高める可能性を秘めています。今後も注目が集まるプロジェクトとなるでしょう。