大阪市水道局が進める豊野浄水場の設備更新工事
大阪市水道局は、次世代に向けた安心安全な水を供給するため、豊野浄水場の薬品注入設備の更新工事を開始します。この工事は、2025年3月7日から2028年6月30日までの期間にわたって実施されます。
工事受託の背景
この工事を受託したのは、水道機工株式会社。東京都世田谷区に本社を構える同社は、上下水道や環境保全に関する設計や施工を行っている企業です。昨今、日本の浄水場施設は老朽化が進んでおり、特に大正から昭和初期に建設された施設が多いため、今が更新の時期とされています。さらに、人口減少や水需要の低下が影響し、投資回収の難しさも指摘されています。
社会が直面する課題
こういった背景の中、持続可能で効率的な水インフラの再構築が求められています。水道機工は、お客様と共にこの課題解決に取り組む姿勢を強く持っており、効率的な浄水技術の導入により水質向上を図ります。
工事の具体的な内容
今回の工事は、豊野浄水場の凝集沈澱池における凝集剤(硫酸ばんど)とpH調整剤(かせいソーダ)の薬品注入設備の更新を含んでいます。混和池で硫酸ばんどと原水を混ぜ合わせた後、フロック形成池で汚れをフロックという塊に成長させ、沈澱池で沈ませる工程が行われます。
この過程で、凝集剤が添加されるとpH値が下がるため、pH調整剤を利用して適切なpH値を保つことが重要となります。また、浄水処理の終盤でもpH値の調整が行われ、目標値の7.5前後に抑えられます。
豊野浄水場の特徴
豊野浄水場の基本情報
- - 名称: 豊野浄水場
- - 所在地: 大阪府寝屋川市太秦高塚町1-1
- - 給水地域: 大阪市内中部、東部
- - 給水能力: 1日あたり450,000㎥
- - 敷地面積: 約180,000㎡
- - 通水開始: 昭和43年7月
これにより、地域の水道インフラが持続的に運用されることが期待されています。更新工事は、地域の住民に安全で高品質な水を提供するためには欠かせないプロセスです。
水道機工株式会社について
1924年に設立された水道機工株式会社は、「人と地球をつなぐ情熱で、笑顔あふれる環境を実現する」ことを企業理念として掲げています。水に関連する様々な事業を展開し、長い歴史を持つ同社は、今後も持続可能な社会の実現に向けて、技術を通じた貢献を続けていきます。
- - 代表者: 古川 徹
- - 資本金: 19億4,700万円
- - 社員数: 856名 (2024年3月31日現在、連結)
まとめ
豊野浄水場の更新工事は、地域住民の安全な水の供給を支えるための重要な取組みです。水道機工は、貴重な水資源を守るため、新しい技術を導入しながら持続可能な水インフラの構築に全力で取り組んでいきます。