シニア女性と孫の関係に関する意識と実態
2025年3月に実施された「シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査」では、55~87歳の女性259名を対象に孫とのコミュニケーションや消費行動が調査されました。この調査は、女性誌「ハルメク」が実施したもので、特にシニア世代のインサイトを深掘りするものです。
孫との接触頻度が減少
昨年及び一昨年の調査と比較すると、孫と「直接会う」以外のコミュニケーション方式が減少していることが明らかになりました。「電話やLINE、メールなど」といったやり取りの頻度も全体的に低下しています。
今後の孫とのコミュニケーション意向に関しては、58.3%が「どちらでもない」としており、今まで以上に関わりたいと考えているのは40.9%に過ぎません。
親を介さない孫との関わり
多くのシニア女性は、孫とのコミュニケーションを親から独立させています。特に「おしゃべりをする」「食事を一緒にする」「おもちゃで遊ぶ」といった活動が上位にランクインしており、性別による活動傾向もみられます。女の孫と一緒に行う「ショッピング」が特に多いという結果も報告されています。
孫への経済支出が増加
孫に使うお金は、2023年と比較して約3.7万円増加し、年間平均で約18万円に達しました。主な支出項目には「お小遣い」「食事代」「物品購入」が含まれ、教育への投資も見られます。特に、孫の成長に応じた教育関連の支出が増加しつつあります。
教えることの内容
調査においては、「礼儀やマナー」「生活の知恵」「社会のルール」など、孫に教えてあげたい内容も多く挙げられ、祖母世代の自信をうかがわせる結果となりました。興味深いのは、孫よりも年上の世代が、教育面でも自らの経験を生かした指導力を発揮しているという点です。
大阪・関西万博への関心
また、大阪・関西万博について、孫と一緒に訪れたいと考えている人は12.4%に留まり、興味の薄い理由として「自分が興味を持たなかった」「混雑が予想される」「孫が小さすぎる」といった意見が多く寄せられました。
専門家の見解
「少子化が進む中、シニア女性が孫との接触頻度を増やすと予想されていたが、実際は逆の結果となった」とハルメク 生きかた上手研究所の所長は表現しています。接触時間が短くなる中で、消費は増えているという新しい動きが見えてきました。「時間は減少したが、消費行動は活発化している」という矛盾する実態が明らかになっています。
これにより、今後のシニア女性の孫への関与は「接触」から「投資」にシフトしていくと考えられます。今後、シニアと孫の関係性がどのように変わっていくのか、注目が集まります。