医療的ケア児の保育に関するアンケート調査が始まりました
近年、医療技術の進歩により、家庭で医療的ケアを受けながら生活する「医療的ケア児」とその家族が増加しています。これらの子どもたちは、気管切開や人工呼吸器、経管栄養など、様々な医療的ケアが必要です。しかし、地域の保育園で受け入れられるケースは依然として少なく、医療的ケア児が他の子どもたちとともに育つ機会が制限されています。
このような現状を受け、東京大学、東京科学大学、東京都の研究チームが中心となり、医療的ケア児の保育に関するアンケート調査が実施されることとなりました。この調査は、医療的ケア児を育てる家庭のニーズや実態を明らかにし、保育現場への支援策を考えるための重要な基礎資料を収集することを目的としています。
アンケート調査の背景
2021年9月に施行された医療的ケア児及びその家族への支援に関する法律があるものの、実際の保育園での受け入れには、多くの課題が存在します。保育士や看護師の配置、医療的ケアを安全に行うための環境整備が必要ですが、その整備を進められない保育園も多く、その結果、医療的ケア児が近隣の子どもたちと関わる機会が限られています。これは保護者にとっても就労や社会活動の機会を奪われる大きな要因となっています。
このアンケートは、家庭の生活状況や保育園選びの重視点、入園先の選択肢の有無などを調査することで、医療的ケア児の受け入れ支援に必要な情報を収集します。調査対象は、医療的ケア児がいる20歳未満の家庭で、調査方法はWebアンケートを中心に行われます。
調査の概要
- - 調査名: 医療的ケア児の保育に関するアンケート調査
- - 調査対象: 医療的ケア児がいる20歳未満の方のご家族
- - 調査方法: Webアンケート(選択式中心、所要時間約20分)
- - 募集期間: 2025年11月1日~2025年12月22日
調査結果は、医療的ケア児とその家庭を支援する取り組みを進めるための基盤となります。ファミケアはこの活動を応援し、家族の体験や声を社会に届ける特集ページを開設します。
特集ページについて
ファミケアが運営する特集ページでは、アンケート調査の目的や背景、調査チームの取り組みについての詳細をわかりやすく紹介します。また、参加者には感謝の気持ちを込めて抽選でのプレゼント企画も実施しています。
研究チームの紹介
今回の調査は東京大学、東京科学大学、東京都の研究チームによって行われます。研究代表者である小野敬済氏を始め、武藤豊氏、菊地謙氏、栗林詩歩未氏、宮田里依氏といった専門家が参加しており、医療的ケア児が保育に通える社会の実現を目指しています。
ファミケアの使命
ファミケアは「疾患・障がい児家族の毎日を楽しく!」というコンセプトのもと、様々な支援活動を展開しています。ポータルサイト、QAアプリ、会員サービスを通じて、全国で1万5000以上の家庭に情報を届けています。未来の社会において、すべての子どもが平等に育てられるために、引き続き努力しています。
専門家の声、家庭のリアルなニーズを集め、医療的ケア児とその家族がより良い環境で育つための基盤作りに寄与する本アンケート調査に、多くの方々の参加が期待されます。