2026年4月5日(日)、水戸芸術館にて、リリック・テノールのクリストフ・プレガルディエンとフォルテピアノ奏者の渡邊順生による特別なリサイタルが開催される。30年前、プレガルディエンは水戸芸術館でシューベルトの《冬の旅》の名唱を披露し、その後も名声を高め続けてきた。本公演は、古希を迎えた彼が、シューベルトの遺作である《白鳥の歌》に再び挑む大変貴重な機会である。
シューベルトの《白鳥の歌》は、作曲者の死後にまとめられた歌曲集であり、意図された連作ではなく、異なる詩から選ばれた13曲から成ります。この多様性を持つ作品に対し、プレガルディエンと渡邊は、既存の曲順にとらわれず自由な発想でプログラムを構成。そこに、シューベルトの後期の名歌曲を独自の視点で組み合わせるという試みを行っている。
後期シューベルトは、ロマン主義の流れの中で生み出された作品が多く、時代の変化による孤独感が色濃く反映されている。都市化が進む中、作曲家は暗闇から希望の光を見出すべく、歌を通じて夢を描いた。2026年の現代において、プレガルディエンと渡邊順生が奏でるシューベルトの歌は、孤独な魂を癒す音楽となり、オーディエンスにあたたかな光をもたらすだろう。
公演は、14:30に開場し、15:00に開演。水戸芸術館のコンサートホールATMにて全席指定で、一般は6,000円、25歳以下のU-25チケットは2,000円となっている。ただし、U-25チケットは水戸芸術館でのみ取り扱い。未就学児の入場は不可である。チケットは、エントランスホール内のチケットカウンターや、電話、ウェブからも購入可能だ。
出演者メッセージも特筆すべきポイントだ。プレガルディエンは、水戸での演奏が特別な意味を持つことを強調し、1991年から続く長い交流の中で、この土地でのリサイタルがどれほど大切なものであるかを語る。また、渡邊もシューベルトが愛用していた当時のピアノの音色を聴かせられることに期待を寄せており、シューベルトの音楽が具現化する特別な瞬間を共有できる事を喜んでいる。
クリストフ・プレガルディエンは、国際的に名の知れたリリック・テノールとして、その美しい声と表現力で多くのファンを魅了し、渡邊順生はフォルテピアノの演奏家として、欧米の名だたる演奏家との共演を果たしてきた。二人の共演によるシューベルトの歌曲のリサイタルは、聴く者に深い感動と共鳴を呼ぶに違いない。音楽の力によって、聴衆の心に優しい余韻をもたらすこの公演を、ぜひお見逃しなく。