JALスカラシッププログラムが50周年を迎えた背景
2025年にJALスカラシッププログラムは50周年を迎えます。このプログラムは、アジア・オセアニア地域からの大学生を日本に招待し、異文化交流を通じて相互理解を促進することを目的としています。1975年にスタートして以来、多くの学生が参加し、国際的な対話を広げてきました。
プログラムの誕生と進化
JALスカラシッププログラムは、故田中角栄元首相の東南アジア訪問を契機に誕生しました。日本とアジア諸国の友好関係を深めるため、旅行会社であるJALが1975年にこの取り組みを開始しました。当時の日本とアジアの関係を改善するための努力は、交流を通じた相互理解を促進し、友好を築くことを目指していました。
1990年には、日航財団(現:公益財団法人 JAL財団)がプログラムの運営を引き継ぎ、その後も時代のニーズを反映させながら内容を充実させてきました。
新たなテーマへの移行
プログラムが始まった当初は、日本文化や社会の理解を深めることがメインのテーマでしたが、時代とともに課題も変わりました。近年では、持続可能な社会や環境問題に対応できる次世代リーダーの育成を重視し、国際課題を克服できる「地球人」の育成にシフトしています。具体的には、「地球人講座」を立ち上げ、オンラインと対面式のハイブリッド型プログラムを展開し、参加者が地球全体を視野に入れた思考と行動を学ぶ場を提供しています。
50年間の成果
この50年間で約1,700名の学生がJALスカラシッププログラムに参加し、幅広い分野で活躍しています。卒業生たちは、閣僚や外交官、ビジネス界のリーダー、学者、ジャーナリストなど様々な職業で重要な役割を果たしています。彼らは国際社会において日本との絆を深め、地球規模の課題に取り組んでいます。
今後の展望
今後のJALスカラシッププログラムは、国境を越えた対話と理解を深化させること、さらには多文化共存を目指す持続可能な社会の構築を目指しています。アジア・オセアニア地域の大学生を対象とした文化体験やプログラムを通じて、次世代のリーダーたちが積極的に地球規模の課題に取り組む機会を提供していきます。
特に、基調講演、フィールドワーク、ホームステイといった3つの活動を中心に据えたハイブリッド形式のプログラムを進化させ、多国籍な交流を広げていくことで、多様性を尊重しながら次世代を育成していきます。卒業生たちが地域社会や国際社会に貢献する姿勢を育むよう、地域社会への責任を重視し、持続可能な社会の実現に寄与します。
最後に
JALスカラシッププログラムは、日本文化の理解から国際的な視野の拡張、そして社会的課題の解決に向けた「地球人」の育成を目指しています。このような多様な活動を通じて、より持続可能で豊かな未来を構築するお手伝いをしていきます。