岐阜県との協定締結で進化する木材利用と脱炭素社会

岐阜県との協定締結で進む木材利用の新時代

2023年10月15日、当社は岐阜県と共に「岐阜県木の国・山の国県産材利用促進協定」を締結しました。この協定は、脱炭素及び循環型社会の実現を目指す取り組みの一環として位置づけられています。地方自治体との木材利用に関する協定は当社にとって初の試みで、地域資源の最大活用と相互扶助を志向しています。

社会への貢献と地域とのつながり

全国的に有名な森林県、岐阜県は、その約8割が森林で構成されています。歴史的に見ても、岐阜県の森林は地域の産業や文化を支えてきました。室町時代から名高い「飛騨の匠」に見られる木工技術は、今もなお地域の誇りとして受け継がれています。私たちは、この豊かな森林資源を都心でも活用する方法を考えています。

今回の協定を通じて、岐阜県産材の活用は、当社が運営する東急線沿線の駅舎改修プロジェクトにおいて積極的に実施していきます。また、当社のウェブサイトや駅構内を通じて、岐阜県産材の重要性を広くアピールしていく計画もあります。これは森林資源の循環を促進し、持続可能な地域づくりにつながる多面的な取り組みです。

「SOCIAL WOOD PROJECT」：木と人の共に生きる未来

「木と人がめぐるまちづくり」というビジョンを掲げる「SOCIAL WOOD PROJECT」では、人々が日常的に森林資源の循環に貢献できる場を提供します。このプロジェクトは、以下の4つの基本軸に基づいて展開されています。

1. 木材活用：さまざまな施設や設備で木材を使用するためのプラットフォームを構築します。
2. 地方創生：都市と地方が連携することで地域の活性化を図ります。
3. 共創価値創造：森林や林業に関する社会課題に対処するため、共創パートナーとの連携を強化します。
4. コミュニティ醸成：様々な主体が参加できるコミュニティを形成し、多様な取り組みを進めていきます。

リニューアルの取り組み

当社はこれまでも「木になるリニューアル」というテーマで、多摩産材を使用した新しい駅施設の開発に取り組んできました。ここに例として、池上線の戸越銀座駅、旗の台駅、長原駅などが挙げられ、現在は千鳥町駅での工事も進行中です。この施工過程では、木材を用いることで、CO₂排出量の減少や炭素の固定化に寄与しています。

今後は“地産地消”に加え、地方の木材を都市で再利用する“地産都消”の理念を実現し、地域の木材利用を一層進めていきます。私たちの試みが、岐阜県との協定を基に新たな未来の一翼を担うことを目指して進んでいきます。