神奈川県内で点検商法による苦情相談が急増
令和5年度、神奈川県内の消費生活相談窓口での総相談件数が63,859件に達しました。これは前年度と比べて99.6%とほぼ横ばいでしたが、点検商法に関する苦情相談は特に目立ち、過去最高の2,471件を記録しました。この増加は、屋根や給湯器の点検名義での訪問や電話による営業活動が背景にあります。特に50代以上の世代からの相談が目立っており、今後の対策が求められます。
点検商法の実態
点検商法とは、業者が「工事が必要」「修理しないと危険」と不安を煽る形で契約を迫る商法です。この手口は高齢者を狙ったものであることが多く、無料点検を名目に訪れることが一般です。実際の事例として、業者が「屋根がはがれている」と言って不安を煽り、契約を迫るケースや、給湯器の点検を名乗った業者が「古い機種なので危険」と言って交換工事をうながすケースが多く見受けられます。
高齢者や若者への影響
令和5年度の高齢者による相談件数は18,492件と前年度の数値よりも5.2%増加しており、特に給湯システムに関する苦情は約2.8倍に増加しました。一方で、29歳以下の若者からの相談件数は7,397件と前年度よりも減少してはいるものの、美容医療やインターネットゲームに関する相談が増加する傾向にあります。特に美容医療の苦情相談は前年と比べて約2.3倍に達しており、消費者保護の観点から注意が必要です。
消費者へのアドバイス
消費生活センターからのアドバイスとして、まずは周囲に相談することが重要です。突然訪問された際は、その場で判断せずに、事前に家族や信頼のおける業者に確認しましょう。見積もりを複数の業者から取り、慎重に検討することが求められます。また、工事が本当に必要かを確認し、不安を感じたら消費生活センターに相談することが推奨されます。
相談窓口の整備
神奈川県では消費生活相談窓口が設置されており、苦情や相談に対して専門のスタッフが対応しています。消費町ダイヤル188(いやや)を利用すると便利です。ここで得られる情報は、契約後のクーリングオフが可能かどうかについてもアドバイスがあります。もし業者からの訪問を断りたいのであれば、インターホンを使って対応し、帰らない場合は最寄りの警察署へ通報することが重要です。
まとめ
神奈川県内での消費生活相談は依然として多く、特に点検商法の件数が過去最多に達しています。これに対して消費者自身が注意深く行動し、必要な知識を身につけることがますます重要です。信頼できる業者と契約するためには複数の見積もりを取得し、周囲に相談することが不可欠です。将来的なトラブルを未然に防ぐためにも、意識を高めることが求められます。