NTT Comとヤマハが音楽ライブの新時代を切り拓く
はじめに
近年、エンターテインメント業界は新たな成長を続けています。特に音楽ライブ市場は、コロナ禍を経て盛況を呈し、アーティストたちのパフォーマンスが全国各地で楽しめるようになりました。そんな中、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)とヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)が協力して開発した技術「GPAP over MoQ」が注目を集めています。この技術により、音楽ライブが映画館で体験できる新たな可能性が開かれます。
「GPAP over MoQ」とは?
「GPAP over MoQ」は、ライブビューイングを実現するための独自技術です。NTT Comとヤマハが共同で開発したこの技術は、低遅延で双方向の音声・映像を配信することを可能にします。特に、音楽ライブの配信において、参加者がまるでその場にいるような高い臨場感を提供する点が特徴です。
技術的な特長
1.
データの圧縮技術:
「GPAP」は、映像や音声、照明データを一つのデータ群として扱い、最適な圧縮方式を適用することで、最大90%のデータ圧縮を実現します。
2.
安定したデータ転送:
不安定なネットワーク環境でも音飛びや操作の異常が発生しにくく、安定したデータ転送を実現します。
3.
映像・音声品質の自動適応:
ネットワーク状態を推定し、品質変化によって映像・音声の配信品質を数秒単位で自動で調整します。
実証実験の概要
「GPAP over MoQ」を用いた第1回実証実験は、2025年5月28日にヤマハの銀座店にて行われます。この実験では、メイン会場でのライブ演奏を収録し、リアルタイムで映像と音声、照明の情報をサテライト会場に送信する予定です。サテライト会場では、遠隔でもその場の臨場感を感じながら、コール&レスポンスの体験が可能になります。
未来への展望
NTT Comは、国際標準化に向けた取り組みを進めながら、この技術を2026年度には有償提供する予定です。一方ヤマハも、ライブ・コンサート市場へのさらなる付加価値を提供することを目指しています。地方においても都市部と同様のエンターテインメント体験を実現し、地域経済の活性化を図ることが期待されます。
まとめ
技術の進歩が私たちのエンターテインメント体験をどのように変えるのか、NTT Comとヤマハの「GPAP over MoQ」はその一例です。これからの音楽ライブは、離れた場所にいてもまるで現場にいるかのような感覚をもたらすことができるでしょう。この新たな技術の発展に注目したいですね。
イベント情報
この実証実験については、2025年6月11日から幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2025」に出展される予定です。詳細については、
こちらのリンクからご確認ください。