日本ファインセラミックス、新工場の竣工式を開催
2025年7月18日、日本ファインセラミックス株式会社(JFC)は、宮城県富谷市にて新たな工場の竣工式を実施しました。この工場の完成により、パワー半導体向けの高熱伝導窒化ケイ素基板の生産能力が一層向上すると期待されています。
新工場の建設は、2025年2月に始まり、今秋からの操業開始を予定しています。この新しい富谷事業所西工場は、生産性向上を目指し、機械化および省人化を進めるとともに、工場の電力供給の一部を再生可能エネルギーによって賄う計画です。具体的には、太陽光パネルの設置を通じてグリーン電力を取り入れ、環境にも配慮した工場運営を行います。
竣工式には、宮城県知事の村井嘉浩氏や富谷市市長の若生裕俊氏、経済産業省の佐竹佳典局長など、官民の重要なメンバーが出席し、事業主を代表するJFCの田中社長と日揮HDの佐藤会長が挨拶を行いました。来賓たちからは、新工場の完成を祝う激励の言葉が寄せられました。特に、知事や局長からのメッセージでは、地域経済の活性化や環境問題への取り組みが強調されました。
この新工場で製造されるパワー半導体向け絶縁放熱基板は、高い熱伝導率を持ち、優れた機械的性質を備えています。これにより、パワー半導体が発生する熱の効率的な放熱が期待され、さまざまなデバイスでの性能向上に寄与するでしょう。特に、電気自動車(EV)や産業機器の省エネルギー化が進む中、パワー半導体市場は成長が見込まれています。
JFCは2020年より高熱伝導窒化ケイ素基板の量産を開始して以来、需要の増加に伴い工場拡張を行ってきました。2023年10月には、さらに生産を増加させるための工場が稼働を開始し、今回の新工場建設に至りました。日揮グループは、2021年度から2025年度までの中期経営計画「BSP2025」において、高機能材製造事業の拡大を目指しています。
新工場は、環境意識の高まりや市場の変化に柔軟に対応するために必要な設備を整え、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となることでしょう。今後もJFCおよび日揮グループは、高熱伝導窒化ケイ素基板をはじめとする高機能材の開発・製造を推進し、世界中のニーズに応えていくことを目指しています。
新工場の概要は以下の通りです。
- - 立地: 宮城県富谷市 高屋敷西工業団地
- - 敷地面積: 約125,000㎡(12.5 ha)
- - 延床面積: 約11,100㎡
- - 生産品目: パワー半導体向け高熱伝導窒化ケイ素基板等
- - 総投資額: 100億円
- - 操業開始: 2025年10月(予定)
日本ファインセラミックスの新工場の開設は、地域経済や環境に大きなインパクトを与えることが予想され、今後の展開が非常に楽しみです。