大工が奏でる美と機能性、グッドデザイン賞の優秀作に迫る

日本におけるデザインの権威、グッドデザイン賞において、株式会社平成建設が手掛けた「杢巧舘（もっこうかん）」と「COURETTE（クレット）」が受賞を果たしました。この受賞は、建築サービスと集合住宅が見事な形で高次元に融合し、さらに日本古来の美を体現した結果であり、平成建設の卓越した技術と理念の真価を証明しています。

杢巧舘（もっこうかん）: 建築と家具のハイブリッドサービス

杢巧舘は、大工の視点で設計された新しい形のサービスです。従来の建築と家具の枠を越え、両者の価値を引き上げることを目的にしています。この施設では、大工が早期にプロジェクトに参加し、施主や設計士と共に家具の製作を行うことで、工程をスリム化しています。

展示スペースには150枚以上の厳選された無垢の一枚板が並んでおり、施主は大工とともにその美しさや希少性を実感できる場です。このような充実した体験を通じて、施主は「建築」と「家具」が調和する意味を理解し、プロセス全体に対する関与が深まります。

施主との共創による新たな住まいの形

杢巧舘の魅力は、素材の再活用が可能である点です。施主が持ち込んだ材や樹木を活用し、打ち合わせを繰り返すことで、オーダーメイドの建築が実現します。これにより、大工はサイズやデザインの不調和を解消し、施主が望む理想的な住まいを形にすることができるのです。また、設計士とのコラボレーションにより、建築の各要素も同時に検討されます。

COURETTE（クレット）: 日本古来の美を感じる集合住宅

一方のCOURETTEは、シンプルで洗練されたデザインが特徴のRC造賃貸集合住宅です。過剰な装飾は排除され、無機質なコンクリートに杉板型枠が施され、経年変化による風合いが楽しめる空間です。

この建物はただ住むためだけの場所ではなく、人と人との繋がりを育む共用ホールや中庭を設けており、地域に溶け込むように設計されています。外観は貫型枠コンクリートの打ち放しに着色が施され、シックながらも力強い印象を与えます。

デザイン性と機能性の両立

COURETTEでは、天井高を3.3mに設定し、開放的な居住空間を提供しています。室内は打ち放しの壁やグレートーンのインテリアで心地よさを追求しました。メンテナンスを考慮したデザインも工夫されており、住人の多様な生活スタイルに応じた明るく温かみのある空間へと仕上げられています。

審査員による高評価

両プロジェクトともに審査委員から非常に高い評価を受けました。その理由として、杢巧舘は木材の特性を理解し、施主と大工との密接な協力体制を評価され、教育の場としての期待も寄せられました。一方、COURETTEは素材の選択が古典的でありながらも高い施工精度を持ち、将来的な可変性に応えられる設計が評価されました。

平成建設の今後の展望

平成建設はこれまで数多くのグッドデザイン賞を受賞しており、今回の受賞も通算18回目です。この株式会社は、職人育成と内製化に注力しており、今後もさらなるデザインの活用に努め、建築における新たな可能性を追求していくでしょう。ライブで体験できるリーダーシップのあるサービスと、安定した品質の確保を目指し、より多くの人々に素晴らしい住まいを届けることを約束します。