安楽死と家族の物語
2024-07-17 11:34:47

安楽死、家族の葛藤、そして人生の終わり方…衝撃の小説『レクイエス・エテルナ永遠のやすらぎ』が問うもの

安楽死、家族の葛藤、そして人生の終わり方…衝撃の小説『レクイエス・エテルナ永遠のやすらぎ』が問うもの



社会問題や個人が抱える生きづらさをユニークなスタイルで切り込む作家・蘭野みゆうさんの最新作『レクイエス・エテルナ永遠のやすらぎ』が、2024年7月17日に発売されました。

本書は、安楽死が合法化された近未来の日本を舞台に、ある家族の物語を描いています。主人公の「私」は、安楽死を希望する両親と、それを受け入れられない妹、そしてそれぞれの立場からの葛藤を目の当たりにします。

安楽死は、個人の意思が尊重される権利という側面がある一方で、生産性のない人々の命を奪う行為になってしまうのではないかという危惧も存在します。本書では、安楽死をめぐる様々な議論が、登場人物たちの言葉を通してリアルに描かれており、読者はそれぞれの考えや立場に共感したり、反論したりしながら、安楽死というテーマについて深く考えさせられます。

安楽死、家族の葛藤、そして人生の終わり方…



物語は、安楽死を希望する両親と、それを受け入れられない妹の葛藤から始まります。両親はそれぞれに葛藤を抱えながらも、父は膵臓癌の宣告を受け、安楽死を強く望むようになります。

家族だけでなく、父の親友である喫茶店マスターや母の友人の編集者など、周りの人たちも安楽死についてそれぞれの考えを持ち、忌憚なく語り合います。

安楽死法制化によって個人の自由意思が尊重されるようになった一方で、安楽死の条件が緩和され、さまざまな思惑により安楽死が促進される方向に向かうのではないかという不安も描かれています。

様々なテーマが詰まった5つの物語



本書には、表題作「レクイエス・エテルナ永遠のやすらぎ」に加え、中編小説4編が収録されています。

「疲れた首にミミズを飼う」:仕事と育児を一人で担う女性が、奇妙な職場「山岸疲労学研究所」で働くうちに、疲労や人生観が変わっていく様子を描いた物語。
「するめちゃん」:引きこもりの妹に語りかける兄のモノローグ。孤独や苦しみの中にあっても、誰かの支えや愛情があることを気づかせてくれる作品。
「僕の恋人は薔薇の香りのおならをする」:おならを連発する個性的な女性との出会いを通して、主人公が自分自身と向き合っていく姿をユーモラスに描いた物語。
「袖は片敷く」:独り暮らしの老女が、怪しいボランティア活動に巻き込まれ、人生の新たな局面を迎える物語。

それぞれの作品が、現代社会で多くの人が抱える問題や悩みを、独自の視点で描き出しています。

安楽死について考えるきっかけを



本書は、安楽死というテーマを通して、人生の終わり方や家族の絆、そして生きる意味について考えさせられる作品です。

安楽死賛成派、反対派、どちらの立場であっても、本書を読むことで、それぞれの考えを深め、新たな視点を得られるはずです。

多くの読者に、人生の終わり方について考えるきっかけを与えてくれる一冊です。


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株式会社パレード
住所
大阪府大阪市北区浮田1-1-8
電話番号
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