肺NTM症に関する啓発サイトが新たに開設されました

脆い肺を守るために知っておくべきこと

非結核性抗酸菌による肺NTM症は、最近日本で増加が続いている疾患です。このサイトでは、患者さんやそのご家族がこの病気についての知識を深めることができる情報を提供しています。

肺NTM症とは何か

肺NTM症は、非結核性抗酸菌（NTM）が肺に侵入することによって引き起こされる感染症です。特に、日本における罹患率は過去7年間で2.6倍に増加しており、最近では肺結核よりも多い患者数を記録しています。人口比で見ると、日本は米国や欧州と比較してもその患者数が突出していることがわかります。

この病気の主な症状には、咳、痰、血痰、倦怠感、体重減少などがありますが、症状の表れ方や進行具合は患者さんによって異なります。特に、2018年の厚生労働省の調査によると、肺NTM症による死亡者数は年間1,000人を超えており、その中でも女性の患者数と死亡者が増加しているという報告があります。

NTMの生息地と感染経路

NTMは日常生活の中で接触する水域や土壌に広く存在しており、特に「やせ型の中高年女性」に多くみられることがわかっています。これにより、どなたでも感染する可能性が高いのがこの病です。

認知度の低さと啓発活動の必要性

興味深いことに、私たちが実施した調査結果によると、肺NTM症の認知度はわずか10.1%と非常に低い数値でした。一方、結核やインフルエンザについては、圧倒的な認知度の差があります。この差から、肺NTM症の啓発が急務であることが浮き彫りとなりました。

そこで、新たに立ち上げた「肺NTM症講座」では、この病気についての疫学データや治療法、生活環境の見直しに関する情報を分かりやすくまとめています。また、患者さんやそのご家族が必要な情報を手に入れるためのリソースとして役立ててもらえるよう、今後も情報を随時更新していく予定です。