医療的ケア児向け映画『モアナと伝説の海2』上映会
医療的ケア児や障がい児の家族が気軽に映画を楽しめる場を提供するため、NPO法人AYAが実施した映画『モアナと伝説の海2』の上映会が、全国10か所での成功を収めました。このイベントは1月9日に奈良県橿原市のTOHOシネマズで始まり、延べ1,691名が参加しました。
イベントの背景
医療的ケア児とは、人工呼吸器を使用したり、特別な医療行為が必須の子どもたちを指します。厚生労働省の調査によると、日本には約2万人の医療的ケア児が在宅で生活しており、また、約60万人の障がい児がいるとのことです。これらの子どもたちが映画館で快適に過ごせる環境を提供することが求められています。
NPO法人AYAは、「子どもたちがスポーツや文化を通じて新たな世界を広げる」との理念のもと、多様なチャレンジを促す場を整えています。このプロジェクトの起点は、「映画館で映画を観たい」との医療的ケア児の母親からの声でした。映画鑑賞に伴う不安から、映画館への敷居が高くなっている現状を知り、このプロジェクトがスタートしました。
上映会の実施内容
AYAの上映会では、映画館のシアターを貸し切り、医療従事者が参加することで、安心して映画を鑑賞できる環境を整えました。音や声が出ても問題ないという心のゆとりを提供し、参加者は自分たちのペースで映画を楽しむことができました。
🚩
上映会の親しまれる場所
今回のイベントは、以下の地域で行われました。
- - 1月19日:奈良県橿原市
- - 1月26日:熊本県熊本市
- - 2月2日:東京都府中市
- - 2月9日:長崎県長崎市、東京都墨田区
- - 2月16日:香川県高松市、神奈川県横浜市
- - 2月23日:鳥取県西伯郡
- - 3月2日:山形県山形市
- - 3月9日:福井県福井市
これらの上映会は、各地の映画館とウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社の協力により実現しました。
参加者の感動の声
参加された家族からは、「同じ境遇の家族が周りにいて安心できた」「初めて家族全員で映画を見られたことが感動だった」という感謝の声が多く寄せられています。
例えば、奈良から参加された方は「医療ケアがあっても、周りを気にせず楽しめたことで心強かった」、熊本の参加者は「途中で騒いでも問題が無かったので、最後まで楽しめた」と話されています。
他にも、東京の家族は映画館の利用に対して「静かに過ごせる一面を発見できた」とし、長崎の参加者は「ダウン症の子どもも一緒にみんなで楽しめて嬉しかった」とのコメントも寄せられました。参加者同士が共鳴し合い、特別な体験を分かち合う場となりました。
NPO法人AYAの展望
NPO法人AYAの代表、中川悠樹医師は、今回の上映会の成功を受けて次なる展開に向けた意気込みを語りました。「多くの地域で映画を楽しむ経験を提供できたのは嬉しい成果です。今後は全国の47都道府県での上映を目指しています。引き続き支援をお願い申し上げます」と述べました。
多くの方々の応援と協力に感謝しながら、AYAはさらなる活動を続けていく予定です。病気や障がいを抱える子どもたちのために、映画体験を広げ、共に楽しむコミュニティを築くことが目標です。
今後も新たな挑戦を続けるAYAに注目していきましょう。