患者と市民の声を医療に活かす新たな試み
健康的な社会を築くため、シミックホールディングス株式会社は国立研究開発法人国立がん研究センターと協力し、患者や市民の参画を促進する共同研究を開始しました。このプロジェクトは、医薬品や医療機器の開発において、患者と市民の視点を重視し、彼らの意見や経験を活かそうとするものです。
共同研究の目的
研究契約が2019年の8月23日に結ばれた今回のプロジェクトは、PPI(Patient and Public Involvement)活動の推進を通じて、患者や市民の知見を医療現場に反映させることを目指しています。PPIは、患者やその家族、市民の意見や経験を未来の治療法や医療サービスの研究開発に活かす取り組みであり、医療の質向上に寄与することが期待されています。
プロジェクトの経緯
アカデミア-患者との連携が進展している一方で、企業との協力体制が十分でないという現状があります。シミックと国立がん研究センターは、患者・市民の意見を医薬品開発に反映させるための新たなアプローチを模索し、両者の協力を強化することを決定しました。
実際、欧米では既に治験実施計画書の策定段階から患者の参画が行われ、教育プログラムも充実しています。日本においても企業との関係構築が求められ、患者・市民との交流を強化する必要があるとされています。
具体的な活動内容
共同研究に向けて、シミックと国立がん研究センターは、具体的な活動内容を定めた「ProCoP」プロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトでは、企業による実効性のある参画ができるよう、臨床試験を適切に進めるための会議手順を設定し、第三者機関を設立して患者と企業の橋渡しを行います。
この会議では、利益相反のない医師や薬剤師が司会を務め、誰もが安心して意見を述べられる環境を整えます。こうした取り組みを通じ、企業は患者の福祉に貢献しながら、医療機器や医薬品の開発を進めることができるのです。
さらなる展望
共同プロジェクトの代表者である国立がん研究センターの全田医師は、アカデミアと企業の連携を考察することの重要性を説いています。これにより、より多くの患者・市民の福祉が向上します。また、シミックの橋本CEOも、患者と企業の連携を強化することが社会にとって重要だと強調しています。
このプロジェクトは、今後の医療研究や治療の質を大きく変える可能性を秘めています。患者・市民参画によって、より多くの人々が健康な生活を送るための基盤を築くことが期待されています。
参考情報
- - 国立がん研究センター東病院は、がん治療の専門機関で、毎年多くの新患が訪れています。
- - シミックホールディングスは、医療に関する総合的な支援サービスを提供し、国内外での医薬品開発をサポートしています。