今回、株式会社長谷工コーポレーションと株式会社長谷工シニアウェルデザインが共同で開発した新たな入退館管理システムは、高齢者施設に特化した初の取り組みです。
システム導入の背景
高齢者施設では、来館者が入館や退館の際に必要事項を記入する手続きが通常行われています。しかし、COVID-19の影響により、これに加え検温が行われるなど、来館者にとっては手間が増えてしまっています。このような問題を解決するため、長谷工グループは顔認証技術を採用し、業務の効率化を図ることを目指しました。
新システムの特徴
新たに導入された顔認証と自動インカム通知を組み合わせた本システムでは、来館される家族やサービス事業者の顔情報を事前に登録することができます。この仕組みを利用すれば、来館者やスタッフ双方の入退館管理の手間が大幅に軽減されるのです。
特に、すでに試験導入が行われた施設では、月間600人を超える来館者を受け入れ、月に15時間以上の業務を省力化した実績があります。これによって、スタッフからも「入居者への対応に多くの時間を割くことができるようになった」と高評価の声が上がっています。
来館者情報の表示と伝達
この新システムでは、入館者が到着すると管理事務所に設置されたモニターに来館者の情報が即座に表示され、さらにスタッフが装着するインカムにも自動で音声案内が送信される仕組みです。これにより、経験の少ないスタッフでも正確な情報を迅速に得ることができ、ホスピタリティの向上に貢献することが期待されています。
高齢者施設運営の現状
高齢者施設の運営においては、慢性的な人手不足やスタッフの業務負担が大きな問題とされています。長谷工グループはICT機器の導入を通じて、業務の効率化やサービスの向上を図る努力をしています。その一環として、この顔認証システムの導入が重要な役割を果たすでしょう。
導入予定
今後、長谷工シニアウェルデザインは試験導入の成果を踏まえ、同社が運営する「ブランシエール」シリーズの全38施設に対し、2026年3月までにこのシステムの導入を計画しています。医療や介護の現場においてIT技術がどのように活用され、最終的なサービス向上へと繋がっていくのか、期待が高まります。
今後の高齢者施設におけるスマート化が進み、多くの方々に良質なサービスが提供されることを期待しています。