窒素固定菌の力で農業革新
現代農業は、化学肥料の過度な使用から脱却し、持続可能な生産方法へと転換を迫られています。農林水産省が掲げる「みどりの食料システム戦略」によると、2050年までに化学肥料の使用を30%削減する目標が課せられています。この理想に基づき、新たな技術ソリューションの導入が求められています。
そんな中で注目されているのが、窒素固定菌を活用した「バイオソリューション」です。この技術は、化学肥料に依存せずに作物の生産性を向上させる有望な選択肢とされています。具体的には、作物の葉に散布することで、作物内で共生し、大気中の窒素を直接固定し供給する微生物資材が登場しました。
画期的な「ユートリシャ™N」の登場
片倉コープアグリ株式会社が、グローバル農薬企業のコルテバ・アグリサイエンス日本株式会社およびコルテバ・ジャパン株式会社と手を組み、「ユートリシャ™N」を2025年6月に全国展開することが発表されました。「ユートリシャ™N」は、コルテバ社が開発したバイオスティミュラント資材で、日本国内への導入に向けて、世界各国の利用実績を基にした革新的な製品です。
この資材は、土壌肥料への依存を減らし、作物に必要な窒素の一部を自給することが可能です。これにより、従来の施肥体系を補完しながらも、環境への影響を軽減し、収量を安定させる効果が期待されています。
地域農業との連携を強化
片倉コープアグリは、この「ユートリシャ™N」を通じて、日本の農業生産者と密接に連携し、技術支援や普及活動を行うことを約束しています。地域に根ざした農業の発展を支えることで、作物の品質向上と持続可能な農業の実現に貢献する方針です。
両社は、環境にやさしく、効率的な農業を推進するために、「ユートリシャ™N」の普及を使命として掲げています。これは、単なる農業の生産性向上だけでなく、環境との調和を図る新たな農業の形を作ることを目指しています。
農業技術の未来を見据えた取り組み
窒素固定菌技術は、これからの日本の農業が直面する課題に対する新しい解決策となる可能性を秘めています。持続可能な農業は、単なる目標ではなく、将来の農業のスタンダードとして確立されることが望まれます。この取り組みによって、農業生産者たちは経済的な利益を得るだけでなく、環境保護にも寄与することができるのです。
技術の進展が、私たちの食料システムに与える影響は計り知れません。肥料と農薬の垣根を越えたイノベーションが、未来の農業をどう変えていくのか、ますます注目が集まります。
本リリースに関する問い合わせは、以下の通りです。
- - 販売に関する質問: 片倉コープアグリ株式会社肥料本部アグリソリューション推進部(担当:相澤, 牧原)TEL:03-5216-6613
- - 資材に関する質問: コルテバ・アグリサイエンス日本株式会社(担当:荒田)E-Mail:[email protected]