エネルギー革命
2025-10-08 13:20:35

出光興産、豪州ボガブライ石炭鉱山でのエネルギー革命を目指す

出光興産が挑む未来型鉱山



出光興産株式会社は、豪州にあるボガブライ石炭鉱山において、新たなエネルギーシステムを導入することを発表しました。このプロジェクトは、太陽光発電とバナジウムフロー蓄電池(VFB)を活用するもので、2025年9月には太陽光発電が稼働を開始し、2026年下期にはVFBが導入される予定です。これにより環境への配慮を徹底し、鉱業界におけるエネルギー転換のモデルケースを創出することを目指しています。

プロジェクトの背景



近年、豪州では鉱山開発に関連する環境対策が強化されつつあります。温室効果ガスの排出を抑えるための法律が整備され、企業はそれに対応する必要があります。出光興産はこの流れを受け、ボガブライ鉱山に自家発電のための太陽光パネルを設置しました。この発電システムは5MWの能力を持ち、鉱山内での電力需要を賄うことができます。初年度には約5,000トンのCO2排出量を削減する見込みです。

バナジウムフロー蓄電池の導入



さらに出光興産は、VFBを国内外の鉱山に先駆けて導入します。このバナジウムフロー蓄電池は、蓄電容量が12.6MWh、出力は2MWで、約6時間の電力供給が可能です。日中に発電された電力を蓄え、夜間の電力需要を賄うことで化石燃料への依存を減少させ、環境に配慮した鉱山の運営を実現します。具体的には、VFBは出光デベラ社が51%出資するVecco社が製造・供給し、住友電気工業が納入を担当します。

VFBの利点



VFBには多くのメリットがあります。まず、長寿命を誇る電解液と電極を使用しているため、劣化が少なく長期間の使用が可能です。一般的には20年以上の寿命が期待されます。また、不燃性のバナジウム電解液と難燃性材料の使用により、安全性も高いです。環境負荷が低く、電解液の再利用が可能で、ほぼ99%がリサイクル可能です。しかしそれだけではなく、ライフサイクルコストも低い点が魅力です。これはセルや電解液の交換が不要であるため、撤去時の廃棄物も最小限に抑えることができます。

持続可能な鉱山運営の実現へ



出光興産は、今回のプロジェクトを通じて鉱山の電力供給の最適化と脱炭素化を進め、持続可能な鉱山運営の実現を目指しています。再生可能エネルギーの利用促進を先導し、業界全体に影響を与えるような取り組みを進めています。将来的には、ボガブライ石炭鉱山が鉱業界における環境配慮のモデルとなることを期待されており、出光興産の取り組みに今後も注目が集まります。


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会社情報

会社名
出光興産株式会社
住所
東京都千代田区大手町1-2-1
電話番号
03-3213-3115

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