DEEP JAPAN ULTRA 100での安全対策
2025年6月27日から29日にかけて行われる「DEEP JAPAN ULTRA 100」では、トレイルランニングの必携装備品として「ココヘリ」が指定されました。このサービスを運営しているAUTHENTIC JAPAN株式会社は、福岡市を拠点に山岳遭難時の位置特定を行っています。
ココヘリとは?
「ココヘリ」は、特別な電波を発信する発信機を持つことで、ユーザーが山岳遭難に遭った際に、迅速に位置を特定できる山岳捜索サービスです。このシステムにより、捜索活動が効率化され、遭難者の発見が大幅に早くなります。REM(短時間移動性)の高いトレイルランニングにおいては特に有用です。
トレイルランニングへの影響
トレイルランニングは、一般的な登山よりもスピードが求められるため、ランナーがコースを外れる危険性が高まります。また、長距離を強いられるレースは経験が浅い参加者にとっても負担が大きく、急な体調不良や事故を引き起こす可能性があります。今大会では、ココヘリを必携装備として指定することで、こうしたリスクに対する備えが強化されました。
DEEP JAPAN ULTRA 100の魅力
このトレイルランニング大会は今年で4回目を迎え、特に過酷な条件が特徴です。160kmのコースでは累積標高が驚異の10,000mに達するなど、海外のトレイルレースに匹敵するチャレンジが待ち受けます。コースの一部は、電波の届かない地域を通過するため、「ココヘリ」の指定が決まったのも納得です。
山岳遭難の現状
日本国内での山岳遭難件数は年々増加しており、2024年には3,357名の遭難者が報告されています。警察庁のデータによると、これらの数字は1961年以降でも3番目に多く、登山者の安全対策が強く求められています。登山前の届け出やGPS機器の携行は、今後も必要な対策とされています。
ココヘリの先進性
ココヘリのシステムは、通常の視覚的捜索方法に比べて、圧倒的に捜索時間を短縮する点が評価されています。発信機からの信号はヘリコプターやドローンと通信を行い、最短数メートルの距離で遭難者の居場所を特定します。この性能により、出発前に送信した登山計画に基づいて、迅速に捜索を開始することが可能となります。
代表取締役の思い
AUTHENTIC JAPANの代表取締役、久我 一総氏は、遭難者の生存率を高めることが企業のミッションだと語ります。彼は「ココヘリ」が多くのトレイルランナーに支持される理由は、山岳地域での厳しい環境下でも高い機能を発揮できる点だと強調しています。
おわりに
安全を確保するための取り組みは、トレイルランニング界にとって欠かせません。「DEEP JAPAN ULTRA 100」では、参加者が安心してレースに臨めるよう、「ココヘリ」を必携装備に指定したことは大きな進展といえるでしょう。今後のイベントにおいても、さらなる安全対策が求められることでしょう。