近年、腸内細菌群が私たちの健康に与える影響が注目されています。特に、ビフィズス菌BB536とラクチュロースを含むシンバイオティクスヨーグルトは、整腸作用に加えて心の健康度や労働パフォーマンスの向上にも寄与することが明らかになりました。本研究は、森永乳業と京都府立医科大学が共同で行った実証研究に基づいています。
研究の背景
腸内環境が心身の健康に与える影響は大きいです。特に、プレゼンティーズムと呼ばれる現象は、出勤しているにもかかわらず心身の問題からパフォーマンスが低下してしまう状態です。この状態は企業や社会に多大な経済的損失をもたらしています。ビフィズス菌BB536とラクチュロースが含まれたシンバイオティクスヨーグルトの効果を調査することで、この問題に新たなアプローチを提案しようとしています。
研究概要
神戸市の協力のもと、健康な成人206名を対象に、4週間にわたりビフィズス菌BB536(20億個)とラクチュロース(4g)を含むヨーグルトを毎日摂取してもらいました。はじめに排便状況、心の健康度、プレゼンティーズムへの影響を評価し、腸内の細菌叢や産生される代謝物質の分析も行いました。
実施結果
シンバイオティクスヨーグルトを4週間摂取した結果は次の通りです。まず、排便状況の改善が見られ、排便回数や便性状が良くなりました。心の健康度やプレゼンティーズムスコアも改善し、労働パフォーマンスが向上したことが確認されました。
腸内の変化
腸内ビフィズス菌と有用物質であるインドール-3-乳酸(ILA)が増加することが観察されました。ILAは脳機能の向上や免疫システムの強化に関与しています。これらの結果は、腸内のビフィズス菌がどのように心の健康度や労働パフォーマンスに寄与しているかを示唆しています。
結論
ビフィズス菌BB536とラクチュロースを含むシンバイオティクスヨーグルトは、ただの整腸効果にとどまらず、心の健康や労働パフォーマンスにも良い影響を与えることが分かりました。今後、大阪・関西万博では、腸内フローラの重要性やビフィズス菌の有用性について発信することで、多くの人々の健康維持や向上に寄与したいと考えています。
引き続き、腸内環境の研究を通じて、多くの人々の健康に貢献していくことを目指します。大規模な社会問題に対する新しい解決策を提案できることに期待が高まります。