東京創元社の新刊『紙魚の手帖』vol.19が登場
2024年10月10日、東京創元社の文芸雑誌『紙魚の手帖』の第19号が発刊されました。この号では、文学ファンにとって見逃せない特集や新作短編が目白押しです。
二大賞の選評を集約
本号の目玉は、東京創元社が主催する二大ミステリ公募新人賞の選評です。第34回鮎川哲也賞と第2回創元ミステリ短編賞の選評が掲載されています。選考委員として参加したのは、青崎有吾、東川篤哉、麻耶雄嵩、大倉崇裕、北村薫、辻堂ゆめの各氏です。それぞれの視点から、作品の魅力や選出理由が語られ、読者にとっても新たな気づきを得る内容となっています。
受賞作の発表
さらに、読者が楽しみにしている受賞作も紹介されています。特に注目すべきは歳内沙都さんの「桜越しに空を撮る」。中学校の卒業式を舞台に、親友の不登校を思い起こさせる事件が描かれています。本作は読者の心を惹きつけることでしょう。
ジョン・コナリーの特集
特集として組まれている「美しくも歪(ゆが)んだ世界へようこそ― ジョン・コナリーの物語」も本号の見どころです。作品には、本邦初訳の短編も含まれており、ジョン・コナリーの独特な世界観に触れる貴重な機会です。この特集では「身元不明者の解剖」や「鼠の王」などが紹介され、異世界の冒険ともいえる物語が繰り広げられます。
連載小説や新作も豊富
連載小説も充実しています。西條奈加による「渦中の人 お蔦さんの神楽坂日記」や坂木司の「きみのかたち」、新野剛志の「粒と棘」など、各作家による多彩な作品が展開されています。また、古矢永塔子の「私たちの愛の巣」と嶋津輝の「稲子のカフェー」という、気鋭作家の短編も収録。これらのストーリーは深く考えさせられる内容となっており、読者を引き込むことでしょう。
編集後記やインタビューも充実
編集後記や次号予告、さらには期待の新人のインタビューなど、コラムやエッセイも充実しています。井上先斗によるインタビューや、話題の新刊の紹介もあり、文芸に興味がある方は必見です。
書誌情報と購入方法
『紙魚の手帖』vol.19の書誌情報は以下の通りです。A5判で295ページ、定価は1540円(税込)が設定されています。また、この雑誌の定期購読は東京創元社の公式サイトからも可能です。文芸の魅力が詰まった本号を手に取って、ぜひ新しい世界に浸ってみてください。
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書誌情報
- - 判型:A5判並製
- - ISBN:978-4-488-03124-4
この秋、文学愛好者にとって見逃せない一冊が登場しました。新しい物語との出会いをお楽しみに!