購入検討の‘楽しさ’と決断の‘難しさ’を考察した新レポート公開

購入検討の楽しさと決断の難しさ

QO株式会社が2025年11月20日に発表した「生活者見立て通信#015」では、消費者の購入プロセスにおける楽しさと難しさについて深く掘り下げています。このレポートは主にマーケティングの戦略立案に関わる専門家を対象としており、生活者インサイトとトレンドをQOのプランナーが独自の視点で分析しています。

このレポートの主な視点は、情報の多様化と量の増加により、消費者がクロスチェックする情報があまりにも多く、結果として購入決断が難しくなっているという点です。具体的には、博報堂のレポートによれば、75.1%の人が思いついた商品をいつの間にか忘れてしまう経験があると答えています。過去10年間で、消費者を取り巻く情報は40倍も膨れ上がり、SNSやレビュー、ECサイトの機能の進化により、かつては簡単だった選択肢が今や選びきれないほど増えています。この“決断疲れ”は現代の消費者にとって深刻な問題となっています。

QOプランナーの分析

QOのプランナーは、こうした背景を受けて消費者の行動について見立てを行いました。購入掲示板やサービスが充実する中、各消費者がどのように購入決断を行うかを4つのタイプに分け、それぞれへのアプローチ方法を示しています。たとえば、スタイリストによる個別提案を行う「airCloset」や、120日間のトライアルを提供する「コアラマットレス」など、購入決断を支援するサービスが増えていることが挙げられます。

本レポートでは、消費者を「買物探検家」としてカテゴライズし、この層の44%が特に興味を持っているとされています。さらにこの「探検家」を「検討の拠り所」と「決断のブレーキ」の観点から4つのタイプに分類し、それぞれに適したマーケティングのヒントを提供します。その結果、多くの生活者が楽しんで購入検討をしながらも、情報過多に拍車をかけることによって決断の難しさを感じていることがわかりました。

専門家のコメント

QOのマーケティングプランナーである木村氏や増子氏、河部氏、中村氏は、今回の調査結果について意見を述べています。彼らは「現代の生活者が比較や発見、利用シミュレーションを楽しむ一方で、多すぎる選択肢により迷うことが多くなっている」と語ります。彼らの見立てでは、消費者のタイプに寄り添ったアプローチが、スムーズな購買に繋がる可能性があると述べています。

店舗でのショッピングが過去のものになりつつある中、オンラインでの生活者との接点をどのように作るかが、今後のマーケティングにとっても重要になってきます。このレポートを通じて、QOは消費者の行動を理解し、戦略を効果的に策定する手助けをしようとしています。