Craifが発表した泌尿器がんに関する研究成果
バイオAIスタートアップであるCraif株式会社が、2026年3月にイギリス・ロンドンで開催されるEAU 2026(欧州泌尿器科学会)において、泌尿器がんに関する新たな研究成果を発表しました。この研究は、慶應義塾大学の馬場優人特任助教や田中伸之専任講師と共同で行われ、尿中エクソソームマイクロRNAを用いた高精度な泌尿器がん検出のモデルが構築されています。
EAU 2026とは?
EAU 2026は泌尿器科の領域において世界最大級かつ権威ある国際学会の一つです。世界各国から泌尿器科の専門家が集まり、最新の研究成果や臨床データについて議論が行われます。この場では泌尿器がんを含む、幅広い病に関する研究や治療法が発表され、医療現場における診療ガイドラインの向上にも寄与しています。
研究成果の概要
Craifの研究成果は、痛みを伴わない尿検査によって泌尿器がんを高精度で検出することを目指しています。具体的には、腎細胞がん、前立腺がん、尿路上皮がんに焦点を当て、尿中に含まれるエクソソームに注目し、384人の泌尿器がん患者と204人の健康成人の尿を用いてSmall RNA-seq解析を行いました。
機械学習を駆使し、腎細胞がんでは92%、前立腺がんでも92%、尿路上皮がんは96%という高い診断精度を達成しました。これにより、従来の侵襲的な検査に代わる新たな手法が提案されています。
予後予測モデルの可能性
加えて、研究では尿中マイクロRNAを用いた予後モデルも開発されており、腎細胞がんについては89%、前立腺がんについては78%、尿路上皮がんは74%の確率で再発の有無を予測することができる結果が得られています。このモデルは腫瘍の転移や免疫環境、治療反応などとも関連性があり、今後の治療方針の参考になる可能性があります。
腫瘍免疫状態の評価
さらに、腫瘍免疫状態を評価するために、免疫染色情報をもとにした解析も行われました。尿路上皮がんの102例を対象に、尿中のマイクロRNAと関連付けることで、腫瘍の免疫状態を一定の精度(AUC 0.65〜0.75)で推定できることが示唆されました。
Craifについて
Craifは、2018年に設立された東京新宿区を拠点とするバイオAIスタートアップです。がんの早期発見に特化し、尿検査をはじめとする体液からDNAやマイクロRNAなどのバイオマーカーを高精度で検出する技術を持っています。これまでに「マイシグナルシリーズ」と呼ばれる尿がん検査を提供しており、AI技術を融合した次世代検査の研究開発を進めています。
Craifのビジョンは、「人々が天寿を全うする社会の実現」であり、バイオテクノロジーとAIの力を活用し、今後も多くの患者に貢献していくことを目指しています。
結論
Craifによる最新の泌尿器がん研究は、非侵襲的なアプローチからのがん診断の新たな可能性を示しています。EAU 2026での発表を通じて、泌尿器科医療の世界的な進展に寄与することが期待されます。