日揮ホールディングスがエネコートテクノロジーズに追加出資
日揮ホールディングス株式会社(CEO:佐藤雅之)は、日揮株式会社(社長:山口康春)と共同で運営するコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)ファンド「JGC MIRAI Innovation Fund」を通じて、京都大学発スタートアップである株式会社エネコートテクノロジーズ(代表取締役:加藤尚哉)に追加出資を行ったことを発表しました。この出資は、次世代の太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池の開発を支援するものです。
ペロブスカイト太陽電池の特性と期待
ペロブスカイト太陽電池は、その「軽さ」「薄さ」「柔軟性」といった特性から、従来の太陽電池とは異なる新しい可能性を秘めています。日本国内の資源や薄膜太陽電池の先端技術を活用し、再生可能エネルギーの導入拡大を支援することが期待されています。これにより、エネルギーと経済の安全保障を同時に実現する道が開かれます。
株式会社エネコートテクノロジーズは、京都大学化学研究所の若宮淳志教授を中心に、ペロブスカイト太陽電池の開発に取り組んでおり、その成果が広く注目されています。2021年12月には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業にスタートアップとして唯一採択され、屋外向けの大型モジュールの試作ラインも立ち上げ、サンプル供給を開始しました。
CVCファンドを通じたスタートアップ支援
日揮グループは、CVCファンドを通じて「カーボンニュートラルの実現」や「持続可能で強靭なインフラの構築」などをテーマに、国内外のスタートアップに対して投資を行っています。2022年5月には、エネコートテクノロジーズへの初出資を行い、2023年12月には神奈川県と連携協定を締結しました。この協定では、ペロブスカイト太陽電池の普及促進に向けた取り組みが進められています。
また、2024年4月には、苫小牧埠頭株式会社とエネコートテクノロジーズとの3社共同により、物流施設の屋根や外壁にペロブスカイト太陽電池を設置する実証実験が開始される予定です。このような取り組みを通じて、日揮グループとエネコートテクノロジーズの連携が強化されています。
未来のエネルギー実装へ向けて
今回の追加出資は、エネコートテクノロジーズが提示した事業計画の魅力や、同社が持つペロブスカイト太陽電池技術の未来性を評価した上での決定です。日揮グループとして、これまで培った太陽光発電分野のエンジニアリング技術をエネコートテクノロジーズの技術に融合させることで、より安全で安心な「どこでも発電所」の確立を目指しています。
このように、日揮ホールディングスは未来のエネルギー社会の実現に向けて、革新的な技術やビジネスモデルを持つスタートアップ企業への投資を続ける方針を貫いています。今後の活動に是非注目していきたいですね。
参考情報
- - エネコートテクノロジーズの詳細情報はこちら
- - JGC MIRAI Innovation Fundについてはこちら