伝統的な御神輿と最先端CG技術の融合
日本の伝統工芸である御神輿は、その美しさと重厚さで知られています。しかし、御神輿を新たに製作または修復したいと思った際には、価格の問題や、完成形をイメージしにくいという課題があります。そこで生まれたのが、創業150年以上の歴史を持つ有限会社中台製作所が開発した「御神輿CGシミュレーター」です。
シミュレーター開発の背景
御神輿製作は通常、顧客の要望を反映させるために時間をかけて多くのヒアリングを行います。依然として提案の過程では、写真やメモを頼りにしたお見積りの作成が行われていました。しかし、持ち帰った事例を再度見直すときに発生する時間や想像力の限界などの問題がありました。
これらの問題を解決するために開発されたのが、CGシミュレーターです。このシステムを使えば、部品をボタン一つで切り替えることができ、選んだパーツを保存・ロードすることもできるため、顧客は視覚的に納得できる形で提案内容を確認できます。
世界初の試み
このシミュレーションツールを使用して、顧客との営業提案を行う同業他社は現時点では存在しないと考えられています。そのため、この御神輿CGシミュレーターは、世界初の試みとして称されています。
豊富な組み合わせ
シミュレーターでは、28箇所にわたる部品を、さまざまな素材や形状に応じて選べる機能が搭載されており、それにより1億通り以上の組み合わせが実現可能です。漆や欅、檜、金、銀、真鍮、さらには螺鈿や麻など、日本の伝統素材を使用して、Epic Games社のUnreal Engineにより極めてリアルなCGを生成しています。
シミュレーター機能
このクールなツールには、以下のような機能が含まれています:
- - 28箇所の部品の切り替え機能
- - 記録したい部品の保存と読込機能
これにより、顧客は容易に自分好みの御神輿をイメージすることができます。
今後の展望
今後は、本シミュレーターで使用されている3Dモデルを基に、VRコンテンツの開発も計画されています。これにより、さらに多彩な視点から御神輿の魅力を体験できるようになるでしょう。
企業情報
江戸時代から続くこの企業は、神輿の木地製作から装飾金具、彫刻、漆塗、金箔、組立までを社内で一貫して行う数少ない工房の一つです。
さらに、東京技術協会や株式会社ハコヤとの連携により、最新の技術を取り入れたコンテンツ制作が進められています。これによって、御神輿の伝統を未来へとしっかりと受け継いでいくことでしょう。