東山魁夷館開館35周年記念展
長野県立美術館にて「東山魁夷館開館35周年記念展」が開催されます。この展覧会のテーマは「永遠の海―私は、いま、波の音を聴いている」です。
展覧会の概要
東山魁夷館は、画家である東山魁夷より寄贈された作品を元に1990年に開館し、今年で35周年を迎えるにあたり、この特別企画展を実施します。展覧会では、皇居宮殿壁画《朝明けの潮》(1967年)の原寸大下図が額装され、一般に初めて公開されます。この下図は、約4m×2.5mの大きさを有し、展示室での公開が困難であったため、長い間秘蔵されてきたものです。
この特別な展示品が見られるのは、1968年の銀座松屋での展示以来、57年ぶりとなります。また、現存する《朝明けの潮》の本作は一般には公開されていないため、そのサイズを体感できるのはこの展示だけとなっています。
展示内容
展示は大きく二部に分かれています。第一部では、皇居宮殿壁画《朝明けの潮》の制作過程に焦点を当て、関連する下図や資料が展示されます。第二部では、東山が描いた日本の風景を代表する作品の数々が紹介されます。
この展覧会では、フルカラーの大下図を中心に,代表作として《残照》(1947年)、《道》(1950年)などの作品も展示されます。戦前作品の《自然と形象 雪の谷間》や《自然と形象 秋の山》なども含まれ、幅広い視点から東山の作品を楽しむことができます。
ジャパン美の体験
今回の展覧会の最大の魅力は、実際に触れたいと思えるようなそのサイズ感です。《朝明けの潮 色分け大下図》は、通常の展示室では見ることができない貴重な体験を提供しており、波模様のグラデーションや自然の美しさが繊細に表現されていることに感動するでしょう。観覧者はここで、まるで自身が作品に囲まれているかのような錯覚を覚えるはずです。
開催詳細
この展覧会は2025年10月4日から11月16日まで、長野県立美術館の展示室1、2、3で行われます。開館時間は9:00から17:00まで、毎週水曜日は休館日です。観覧料は一般1,700円(前売り1,500円)ですが、特別割引も提供されます。事前に申し込めば、様々なイベントも体験できます。観覧者自身がアートを直接感じられる企画も用意されています。
特別イベント
また、展覧会の関連イベントとして、記念講演会やスライドトーク、ギャラリートークも設定されています。プロの解説者と共に、より深い理解を得ることができるでしょう。子供向けに特別編のプログラムも用意されていますので、家族で楽しむこともできます。
東山魁夷の作品に触れ、その魅力を感じるために、ぜひ足を運んでみてください。豪華な日本の美の世界へと、あなたを誘います。