健康経営の新常識としての更年期支援
2023年10月17日、東京都立産業貿易センター浜松町館にて、一般社団法人幸年期マチュアライフ協会が主催したセミナー【ウェルビーイング経営の新常識!「更年期と就労の両立」~更年期ロスない活躍推進のために~】が開催されました。このイベントには、企業の人材・健康経営やダイバシティ推進に携わる多くの方々が参加し、正しい知識を得る機会が提供されました。
「世界メノポーズデー」に先立って行われたこのセミナーは、更年期とその影響についての理解を深めることを目的としています。特に、参加者たちは「更年期ロス」による仕事や生活の影響を認識し、更年期を乗り越えるための知識を学びました。これにより、周囲の理解を促進し、さらには企業のサポート体制を構築する重要性についての意識が高まりました。
セミナーの内容と専門家の講演
セミナーは全3部構成で、各部には様々な専門家が登壇しました。まず、日本医師会認定産業医である海保真弓氏が、「更年期の理解~まず関心を持つこと、そして正しい配慮、企業のサポート~」に関する講演を行いました。
続いて、安並まりや氏(株式会社博報堂Woman Wellness Programリーダー)が、「ソーシャルリスニングにおける更年期の実態」について最新のデータを元に説明し、更年期を取り巻く社会的な状況を浮き彫りにしました。最後に、田中柳子氏(国家資格公認心理師、NPO法人ライフキャリア総研理事長)が、「更年期のキャリア自立・自律とキャリア継続、企業の支援」について話しました。
更年期を幸年期にするためのアクション
幸年期マチュアライフ協会は、社員全体の理解を深めることが重要であると考えています。役員やマネジメント層を含む全社員を対象に、更年期に対する理解を深めるための機会を提供することが求められています。「我慢しない」という意識を育て、環境を整えることで、更年期による不調が生活や仕事に与えるマイナスの影響を軽減することが可能です。
参加者は、更年期に関する治療や支援を受けることが、自分自身のキャリアにどう影響するかを考える機会がありました。45歳になったら「更年期のかかりつけ医」を持つことが推奨され、受診を通じて不調を軽減する方法が紹介されました。
社会全体での理解促進
全国的な「更年期ロス」を防ぐためには、当事者だけでなく、マネージャーやパートナーの理解も重要です。まずは身近な人からの相互理解を促し、「更年期が幸年期になる」ための社会的構造を整えることが求められます。
幸年期マチュアライフ協会の代表理事、今井麻恵氏は、さらなる啓発活動に向けて、「更年期が幸年期になるカードゲーム」や「更年期検定」の導入を計画しています。これにより、男女が共に関与し合いながら、社会全体が「健幸ウェルビーイング」の実現に向かうことが期待されています。
今後も協会は、地方自治体や企業と連携し、より良い社会の実現を目指す活動を続けていきます。参加者は、今回のセミナーを通じて新たな視点を得て、自らの生活やキャリアに役立てることができるでしょう。例えば、家庭教育や学校での啓発も重視され、親世代と子世代の理解促進に向けた取り組みが始まる予定です。このように、よりよい未来のために、更年期に対するポジティブなアプローチが必要です。