デサントと花王が共同研究した近赤外線カット効果の実証結果

最近、熱暑の中でのスポーツやアウトドア活動が注目されていますが、特に無視できない存在となっているのが「近赤外線(NIR)」です。この近赤外線は、炎天下で体感する焦燥感や不快感の元凶であり、皮膚の熱さを引き起こす要因とされています。近赤外線は、紫外線よりもさらに長い波長を持ち、強い熱を伝導する特性から、体温上昇の一因となります。

デサントジャパン株式会社と花王株式会社の共同研究チームは、近赤外線をカットする機能を持つウェアと日焼け止めを組み合わせることで、その効果を検証しました。研究は、デサントのアパレル研究開発施設、DISC OSAKAに設けられた人工気象室で行われ、暑熱環境を再現して実施されました。

実験の結果、近赤外線を遮断することで「汗の量が減少」し、「心拍数の上昇が抑制される」ことが確認され、身体への負担が大きく軽減されることが明らかになりました。実験に用いたウェアは、近赤外線のカット率の異なるTシャツを使用し、その結果として、サンスクリーン性能を持つ高機能ウェアが熱中症や脱水症状のリスクを低減することが期待されています。

身体の健康とパフォーマンスを維持する上で、近赤外線対策は非常に重要です。獨協医科大学の枝伸彦先生も、「運動時に体温が過度に上昇することは、運動パフォーマンスに大きな影響を与える。」と解説しています。体温の管理は、運動効率を高めるだけでなく、熱中症を防ぐためにも必要不可欠です。

サンスクリーンNIRという独自開発素材は、近赤外線による熱を低減することで、汗をかく必要性を抑え、身体の居住性を向上させる役割を果たします。この快適性を提供することで、競技者はわずらわしさから解放され、より一層、そのパフォーマンスを最大限に引き出すことが可能となります。

暑い季節には、近赤外線対策は欠かせない要素といえるでしょう。運動を快適に行うためには、過度の発汗や脱水を招かない工夫が必要です。デサントと花王の研究が示したように、近赤外線カット技術は運動時の快適さを向上させるだけでなく、健康維持にも貢献する可能性を秘めています。

今後、さらなる研究を重ねることで、私たちの毎日がより快適になり、健康的なライフスタイルを送りやすくなります。熱さに負けないインナーや日焼け止めを正しく選ぶことで、暑い夏をより楽しんで過ごすことができるでしょう。これらの素晴らしい技術により、我々は炎天下でも快適な汗をかきながら、身体の負担を軽減し、アクティブな生活を満喫することができるのです。