東京マンション市場の現状
2020-11-24 11:00:07

東京23区中古マンション市場:売主優勢から転換の兆候、買主市場への移行は?

東京23区の中古マンション市場:売主優勢から転換の兆候



2020年、新型コロナウイルスの感染拡大は、東京23区の中古マンション市場に大きな影響を与えました。特に、供給不足による売り手市場が形成され、平均成約坪単価は上昇の一途を辿りました。しかし、マンションリサーチ株式会社の最新調査によると、この状況に変化の兆しが見え始めています。

売主優勢の市場構造



マンションリサーチ株式会社が発表したデータによると、2020年10月時点の東京23区の中古マンション平均成約坪単価は、過去最高値を記録しました。これは、供給不足と需要の増加が相まって、売り手が有利な市場構造が形成されたことを示しています。一般的に、不動産価格は需給関係によって大きく左右されますが、需要の把握は公開情報だけでは困難です。そこで、マンションリサーチ社は「指値の頻度」に着目しました。指値とは、売出価格からの値引き交渉のことです。指値の頻度が高いほど買い手市場、低いほど売り手市場であると言えるでしょう。

データから読み解く市場動向



調査では、2020年4月から9月にかけて指値の頻度は減少傾向にありましたが、9月から10月にかけては増加に転じました。一方、平均成約坪単価は上昇を続けています。この状況は、売り手市場から買い手市場への転換を示唆するものでしょう。

さらに、重要な指標となる中古マンションの流通戸数も増加傾向にあります。2020年4月をピークに減少していた流通戸数は、10月には前年同月比でプラスに転じました。これは、供給量の回復を示す重要なデータです。

買主市場への転換期



これらのデータから、マンションリサーチ社は、東京23区の中古マンション市場が、売主優勢から買主優勢への転換期にあると結論付けています。供給量の回復と指値の増加は、市場の均衡に向かっていることを示しています。しかし、今後の市場動向は、様々な要因に左右されるため、注意深く見守っていく必要があります。

マンションリサーチ株式会社について



マンションリサーチ株式会社は、不動産売却一括査定サイトを運営する不動産テックカンパニーです。14万棟のマンションデータ、9000万件以上の不動産売出事例データ、不動産売却を志向するユーザー属性の分析データなどを保有し、これらを活用して、集客支援、業務効率化支援、不動産関連データ販売などを提供しています。

今後の見通し



東京23区の中古マンション市場は、コロナ禍からの回復とともに、供給量の増加、価格の調整など、大きな変化を迎えています。今後、市場参加者、特に購入を検討している方は、最新の市場動向を常に把握し、賢い選択をすることが重要になります。

専門家の見解



本調査を分析したマンションリサーチ株式会社データ事業開発室の不動産データ分析責任者である福嶋真司氏は、「市場は転換期にあり、今後、買い手にとって有利な状況になる可能性が高い。しかし、経済情勢や政策動向など、不確定要素も多いため、常に情報収集を行い、冷静な判断をすることが大切だ。」と述べています。

会社情報

会社名
マンションリサーチ株式会社
住所
東京都千代田区神田美土代町5−2第2日成ビル 5階
電話番号
03-5577-2041

トピックス(経済)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。