「Z世代が夢中!25周年を迎えた新潮文庫『マイブック』の魅力と流行の背景」
はじめに
今年で25周年を迎える「マイブック」は、新潮文庫から刊行される手帳や日記として利用できるユニークな一冊です。初版からおよそ280万部を突破し、特に今年はZ世代を中心に大ブームを呼んでいます。全国の書店からは在庫が消えるほどの人気を誇り、最近では緊急増刷も行われる事態となりました。その背景には、新たに注目されている「日記界隈」と呼ばれるトレンドがあります。今回は「マイブック」の流行の秘密を探ります。
『マイブック』の特徴とは
『マイブック』は、1999年に初刊行されて以来、文庫本のスタイルを持ちつつも、まっさらなページに日付と曜日がのみ印刷された構成が特徴です。この一冊は、読者が自由に書き込むことのできる世界に一冊だけの本として、多くの人々に愛されています。
アートディレクターの大貫卓也氏が手がけたデザインは、従来の手帳とは異なり、「本」としての価値を持たせることに成功しました。本を作るという体験こそが、従来の文庫とは一線を画す魅力となっています。これまでにも、多くの著名人が愛用しており、時代を超えて読み継がれています。
「日記界隈」のブーム
『マイブック』の人気が再燃した背景には、Z世代が注目する「日記界隈」というキーワードがあります。この「日記界隈」は、SNSを利用して日々の出来事を記録し、共有する文化を指します。これまでのプライベートな日記のイメージとは異なり、Z世代はオープンに日記を公表することを楽しんでいるのです。
昨年9月に発売された2024年版『マイブック』は、SNS上で手書きのページが紹介され、若者の間で瞬く間に話題に。この流行は、「SHIBUYA109 lab. トレンド予測2025」にも登場し、Z世代の新たなライフスタイルを反映しています。実際に、15-24歳の女性読者は昨年比で146%も増加したとのことで、若年層の市場が拡大しています。
小田急アートの進化
『マイブック』は初めて刊行された際に、単に手帳としてではなく「自分の本」としての側面が広く受け入れられることになります。大貫卓也氏は、白い本の見た目が持つ特別感を重要視し、自分の手で作る楽しさを強調します。「他のどの本よりも残る記録になる」という思いから、利用者の自由な使い方が支持されています。
交換日記の新たな形
また、交換日記という使い方も注目されています。お笑い芸人の大島美幸さんと元放送作家の鈴木おさむさんは結婚23年目に『マイブック』を利用して交換日記を始めたそうです。このように、マイブックは個人の表現手段としてだけでなく、コミュニケーションツールとしても利用されています。
結論
25年の歴史を持つ『マイブック』は、時代背景に合わせて新たな方向性を見つけました。SNSやZ世代の文化を背景に、日記を書く楽しさやその利用方法が再定義されています。これからも『マイブック』は、多くの人々に愛され続けることでしょう。自分だけの記録を残していく楽しさを是非感じてみてください。